OrganicとNon-GMO
最近立て続けに食品関連の映画を3本見て、関連の本を何冊か読んで、少しずつ自分の食に対する「ものさし」が出来てきました。ものさしが出来るとスーパーでの買い物が楽ちんに!今まで(自分にとって)何がいいのか、悪いのかよく分からず、時間はかかるし、スーパーに行くのも一苦労でしたが、判断基準がしっかりしてくると、サクサク買い物が出来るようにになりました。
備忘録も兼ねて、ちょっとここに書いておこうと思います。
やっぱりオーガニック、だけどほどほどにしないといけない葛藤
以前からオーガニック品を買っていましたが、しっかりとした意思でオーガニック品を買うようになりました。USDA(United State Department of Agriculture)によると、以下の条件(私の拙い意訳ですが)をクリアしていると、オーガニックの認証マークをつけることが出来るそうです。認証マークがついていると、設けられた基準をクリアしていることが分かるので安心して買うことが出来ます。
- 自然のシステムに反せず、それに近づくこと
- 肥沃な土壌を造ること
- 農業汚染を減らすこと
- リサイクルをすること
- 生物多様性を増進させること
- 健康的な土壌から、健康な農作物をつくること
オーガニック、オーガニック…と思いながら買い物するようになりましたが、問題点がいくつか。
まず、高いです。通常品の1.5倍~2倍はする。例えば、普通のブロッコリーなら1ポンド(約500g)2ドルのところ、オーガニックのブロッコリーなら1ポンド4ドルとか。結構お財布へのダメージが大きい…
そして選択肢が少なくなります。
この間、ナスを買いたくて何件かスーパーに行きましたが、どのスーパーにもオーガニックのナスがなく、結局ゲット出来ませんでした。オーガニック品が多い、Whole foodsや、Trader Joeでさえ、「Conventional」なナスしか売っていませんでした(タイミングによっては売っている時も)。ちなみに、「Conventional」とは「従来通りの」という意味。オーガニック品と区別するためにこのような言い方をしますが、要は遺伝子組み換えの野菜だったり、農薬を使っていたりします。婉曲的な表現になっているから悪くないような気がしますが、気を付けなければ、と思った次第。
また、色んな定義があって、小難しいです。
例えば、牛肉や鶏肉を買うとき。「オーガニック」があればいいのですが、Whole foodsでさえオーガニックのお肉を売っていないときがあります。そんな時、よく見る表記が「Cage free(かごで飼われていない)」、「Outdoor access(外へのアクセスあり)」、「Grass feed(草の餌)」など。ぎゅうぎゅう詰めで身動きのできないケージで飼われた鶏は悪名高いイメージですが、このチキンは違いますよ、という表記。で実際は、養鶏所の中で放し飼いでも、身動きの取れないほどの密度だったりします。草の餌もトウモロコシよりはましだけど、オーガニックと書いてなかったら遺伝子組み換えの草かもしれない。ということで少ない選択肢の中から少しでも自分が安心できるものを選んでいますが、たまに気持ち悪くなって食欲が失せることも。。この間はオーガニックの高いお肉に、紫色の何かが一部混ざっていて悲しくなりました。せっかく頑張って選んでもこの有様。低糖質の食生活を始めて、お肉を摂り始めたのになかなか前途多難です。
最後にもう1点、先日アジア系のスーパーに行って思ったこと。アトランタには韓国系の巨大スーパーがあるのですが、そこでは野菜から乳製品、お菓子まで何でも売ってあります。アジアから来た私たちは、アジア系のスーパーには安心感を覚えてしまいますが、よくよく野菜を見てみると、「オーガニック」の表記は一つもありません。つまり、表示がないということは遺伝子組み換えということ。もちろん全てという訳ではありませんが、アメリカは遺伝子組み換えの表示義務がないため、どの程度かは謎です。私も来たばかりの頃は、アジア系のスーパーで何気なく野菜を買っていましたが、最近は米系のスーパーで「オーガニック品」を選んで買うようになりました。
オーガニック品にばっかり拘ってると、お金も選択肢もなくなっちゃうし、友達とのご飯も楽しく出来なくなっちゃうので、ほどほどにしていますが、私たちの生きる基本である「食」が脅かされてしまう状況なんてほんとに悲しいなぁと思います。あとオーガニックに拘ると、意図的ではないにせよ、オーガニックを買わない人たちを批判しているような気がして(決してそういう気はないのだけど)、なんだか自分でちょっと嫌な気分になってしまいます。考えすぎかもですが。
Non-GMOはFrenemy
オーガニック商品とよく並んで「Non-GMO」という表記を見かけます。GMOとは遺伝子組み換えという意味。Non-GMOなので、遺伝子組み替えではありませんということ。何だか良さそうに見えますが、じつはこれ「Frenemy」なのです。Frenemyとは、Friend(友)とEnemy(敵)を合わせた造語。もちろん遺伝子組み換えではないというのはいいことなのですが、遺伝子組み換えでないだけであって、オーガニックではありません。つまり農薬はしっかり使ってあります。それでいて、「Non-GMO」という価値を商品に与えられるので、商品価格は上げられる。つまりメーカーにとっても、小売店にとっても利益率が高い、美味しい商品なのです。いかにもオーガニックのような顔で売られているので、本物のオーガニック農家を圧迫しているそうです。オーガニック表記のある商品はそもそも「Non-GMO」なので、やっぱりオーガニックが一番なのだなと思いました。
なんだか長くなってしまいましたが、最近オーガニックを意識するようになって私が勉強したこと、思ったことを備忘として残しておきます。
左:オーガニックの認証マーク
右:非遺伝子組み換えの認証マーク