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人々よ、自分の祖国を取り戻せ! (by ふたこわたる)

問「どうしたら、ずっと二人で愛し合える関係を築けたのか。」【僕らふたりの物語7】

2017.10.02 01:01

僕とパートナーのけいこちゃんが、大変な道のりを超えて今のような関係にいたる物語。

その7です。

その1 お互い結婚していたところから

その2 僕が持ち越しにしていた課題

その3 愛を全開にして生きてこなかった痛み

その4 一人だけをパートナーとする理由がなかった頃

その5 夫婦の溝がどのように深まっていったか

その6 心がボキッと音を立てて折れる


その後のことをあれこれ書いてみては、うーん、伝えたいメッセージではないなあと思ったりして、行ったり来たりしていました。あ、このシリーズのことね。

前回のエピソードで、妻との関係性については決定的な流れができてしまった。

何かが違ったら今でも元妻と関係を育めていただろうか、と考えてみると、それはやっぱり難しかったと思います。

今客観的に見ても、多少早くからもうちょっとマシなコミュニケーションができていたとしても、やっぱりその先はなかったなと思う。その理由は、一言では言えないからもう少しシリーズが進む中で語られると思います。


ここまできて思うのは、世の中、婚外恋愛が「原因」で離婚したかのようなストーリーがよく語られるけれど、多くの場合それは原因というよりは結果だということ。

夫婦が抱えていた関係性の問題点を明確に浮上させるきっかけにはなった。でも、そこまですでに問題が膨らんでしまっていた結果だった。

どうしたら離婚せずに済んだのか、と問うて、婚外恋愛をしなければよかったのだ、と答えたら、完全に本質を見誤ってしまう。問いの立て方も、答えの選び方も、本質をはずしている。

もしずっと二人で愛し合う関係を築きたかったら、シンプルに、

「どうしたら、ずっと二人で愛し合える関係を築けるのか、築けたのか。」

それだけが意味のある問いなんじゃないかと今なら思います。このあと多くを学んだ今なら、この問いを「ずっと二人で抱え続ける」ことの大切さがわかります。

***

今になって何を言っても僕と元妻のあいだでは、その問いを二人で抱え続けることはおろか、そもそも問われなかったのでした。

答えを知っている気になっていただけだった。少なくとも僕は。

だから当然僕らは、「ずっと二人で愛し合える関係」を、全然築けていなかった。

もしかしたらそのスタート地点にさえ立てていなかった。大変残念ですが。

***

でもね〜、僕らがもっと早くからもっとマシなコミュニケーションを取れていたらなぁ、とは思ってしまいますよ。

結局離婚してはいたと僕は思っていますが、人として大切にしあう気持ちはどちらも持っていたはずで、だから少なくともこんなに破壊的な形でなく、もっといい別れ方はできていたんじゃないかなとは思うのでした。

実際には、詳細は書かないけれど、彼女は健康を損ねるほどにボロボロになってしまったし、僕も僕で死ぬ思いをすることになった。そのことについては未だに大きな痛みを感じます。

こうして僕らは、言葉にならない疑問と未消化なプロセスをお互いの内にたくさん残しながら離婚したのでした。