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プロヴァンスのセリニャン=デュ=コンタにあるファーブルの暮らした家

2017.10.02 05:36

今年の8月、プロヴァンス旅行の最終日に立ち寄ったのは南フランスにあるオランジュ Orange というローマ帝国時代の遺跡で有名な町と、そこから北に向かってクルマで10数分の場所に在るセリニャン=デュ=コンタ Sérignan-du-Comtat という村です。オランジュはヴォークリューズ県にあり、世界遺産の一つ、『名称:オランジュのローマ劇場とその周辺及び凱旋門/Roman Theatre and its Surroundings and the Triumphal Arch of Orange』に指定されていて、近くにフランス空軍基地があります。そしてマルセイユ・プロヴァンス空港から日本に帰国する直前に立ち寄ったセリニャン=デュ=コンタにはジャン アンリ ファーブル Jean-Henri Casimir Fabre が亡くなるまでの36年間を過ごした家があるのです。


駐車場から静かな田舎の路地を歩いて行くと、ファーブルの家 Harmas de Jean-Henri Fabre と資料館の道しるべがありました。

残念ながら十分な時間がないので右手にある資料館への入場は諦めて、左手にある『アルマス』への入場料を払って入ることといたします。

アヴィニョンから程近いオランジュに住んで『昆虫記第1巻』を書き上げたファーブルは、55歳の時にここセリニャンの村はずれに畑付きの家を購入し、『アルマス Halmas (手入れしていない庭・荒れ地)』と名付けて移り住みました。

それから亡くなるまでの36年間をここに過ごして、『昆虫記』第2巻から第10巻を書き上げたのでした。プロヴァンスらしい可愛い家です。さっそく入ってみましょう。

プロジェクターにスイッチが入って、等身大のファーブルさんがにこやかに出迎えてくれました。奥にはカブトムシ。

ヘラクレスオオカブトの美しいオブジェの下にはさり気なく、ホンモノの蝶や蛾の昆虫採集標本が収納されていていきなり興奮モードに入ります。

もう一つあるお隣の家屋にはたくさんの標本が素晴らしい保存状態で展示されていました。中は撮影禁止ですので、それらをお示しできないのが残念です。ここで彼がファーブル昆虫記を書いたのだと思いながら、昆虫採集標本や様々な道具、顕微鏡や書籍を見て回ると、幼い頃のドキドキする気持ちがますます沸き起こってきました。頭を冷やしながら、お庭を散歩してみることにいたします。

ここはただ眺めるだけのお庭ではなく、ファーブルが昆虫を観察するための自然に近いアルマスなのですね。

バラの苗と一緒に置かれたスカラべ(ふんころがし)のオブジェ。

虫たちも私も大好きな芳香を放つジャスミンの花。

みつばちハッチも飼っています。

本当に草ぼうぼうに見えますが、実は上手く手入れされているのでした。スプリンクラーも随所にあります。

うわっ、サソリ!

噴水へ逃げろ!

子供たちが興味津々で見つめていたのは・・・。

お池に浮かぶ蓮の花と、

その下を泳ぐ小さなメダカたち。タガメやゲンゴロウはいないのかな??

こんなところにホオズキがありました。

またまた、今度はカマキリのオブジェです。こうして愉しい時間は瞬く間に過ぎていきました。そろそろ帰る算段をしなくては。最後にオフィスでお土産をチェック。ファーブルが亡くなって102年、一昨年に出た没後100年の記念切手などを購入して、懐かしくて癒やされる場所を後にしたのでした。