Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

オールド・キャンパーの独り言

長い歳月と技術が個性を活かす

2017.10.02 13:19

 ケヤキは、古くから神社仏閣の建築や家具・工芸品の素材として使われていて、日本人には、なじみが深い木です。

 ケヤキは材質が堅く、木目が美しく耐水性・耐久性に優れているのだそうです。漢字で書くと木偏に挙手の挙(あげる)と書きます。欅の字の示すとおり手の指をしっかり開いて手を挙げているような樹形をしているので、一度教えてもらうと忘れることはないでしょう。

 ケヤキの「ケヤ」と言うのは、「際だって目立つ」「美しい」と言った意味の「けやけし」と言う言葉から来ていると言うことで「けやけし木」と言う語がなまって「けやき」と言うようになったとも言われています。

 ケヤキで作られた家具や工芸品に見られるような明るい色調で艶が良く、独特の年輪が美しく、華麗なケヤキ材は、実は非常に個性が強く大工泣かせの木材なのだそうです。

 伐採されて乾燥させて枯れるまでの間には、右に左にと大きく反り返るために、大黒柱として大木のケヤキを使うと家を動かす程に反ることもあると言うことです。

 特に若齢木(樹齢100年程度)の木では材に狂いが出やすくて、特に狂いが大きい周辺部の白い部分は捨てられて中心部の赤身と呼ばれる堅い部分が主に使われるのだそうです。

 狂いを少なくするためには伐採後15年はしっかり寝かせてから加工する必要があるようです。私たちの目に触れる重厚な艶で玉杢(たまもく)や縮み杢(ちじみもく)、如鱗杢 (じょりんもく)と言われる独特な柄で高級感を醸し出すケヤキの家具は、伐採後15年の長い年月の間寝かされ、狂いを押さえて使う大工さんの熟練の技があって初めて高級家具として世に出ることが出来るのだそうです。

 ケヤキの個性を生かすには長い歳月と熟練された技術が必要なようです。