The手帳の季節
9月ともなると,店先には、手帳・カレンダー・運勢歴が、たくさんお披露目されます。これ待ちに、駆けつける人も多いかと思います。一年と言う期間の終わりが始まる時期とでも言いましょうか。
さて、手帳について調べてみると、一冊の本が作られるほどに、奥深い物であります。
【手帳の意味】「心覚えに雑事を記入する小さな帳面。手帖とも書く」(広辞苑より)とあります。手帳とは、本来、手の中に納まる大きさの帳面を意味しています。でも、実際は、そのようなものは少なく、店頭に置いてあるものの多くは、手を広げた大きさ以上のものが主流です。手に収まるサイズでは、かえって使いずらいのです。とはいえ、手のひらサイズですと、ポケットに収まりやすいので、携帯には便利なサイズです。
そもそも、手帳は、英語で「Note Book」で「帳面, ノート,手帖、 雑記帳, 備忘録, 通帳、 冊子」を言うとありますから、要は、なんでも書きが基本と言うことです。
一時期はやった、システム手帳も、今は下火になっています。やはり、スマートフォンに代表されるように、手帳よりも情報管理収集にはこちらが便利で、必需品である故です。システム手帳と言われるごとく、多くの情報を小型化して、ともすると、縮小技術に主眼点が置かれた製品が多く、細かい字で書かざるを得なく、読むにも見にくいのにと思われるほどの製品の羅列でした。システム手帳を持つこと自体が「仕事のできる人」的存在にまでになり、装丁自体も高級革を使ったものがもて囃され、一つのシンボルを作りました。
とは言え、やはり、同じ手帳を長年使い続けている人も多いでしょう。本と同じく、紙や手書き文字等に対する感覚は、手放せないものです。
【手帳の中身】手帳の中に、必ず入っているのは、カレンダー・月間年間又は週間、及び一日の予定表・メモ・個人情報欄でしょうか。そのほかに、日記欄・切り取り式付箋・住所録・地下鉄表・郵便情報・電話番号・あいさつ集・ビジネス用語・度量衡換算表・贈答マナー・とっさの英語表現・年齢早見表・印紙税便覧・国際電話情報等、これでもかと言うほどの便利情報を挟んでいます。また、子供や女性用の物は、まんがや各キャラクターものが多いものです。仕事の業界専門のものは、その手の関係情報が多いのは当然です。士業手帳でも、必ず入っているのは、士業に関係する〇〇業法が入っています。多くの情報は、必要かつ便利でもありますが、むしろ、自由に書けるノート部分が多い方がメインなので、それを選ぶべきでしょう。これらの、付録的情報は、携帯電話を持つ時代には、不要とも言えますから。
ただ、個人情報も、出来るだけ、必要最低限の情報も書いておくべきです。住所・名前・電話番号ぐらいは。そして、落とした時用に「この手帳は、私にとって大切なものです。拾われた方は、お手数でもご連絡ください」と言う文言を入れておくべきですし、昨今の手帳は、この文が初めから印刷もされているのがほとんどです。落とした時の為には、出来るだけ、他人にはわからない記号を使うとか、落とさない工夫をするとか、同じ手帳内容の物を、別に持っているとかする必要があります。
【手帳で使いたい記号】
①W/=withの略字で、「~と一緒」② @=atの略字。又は、そのままメールのアットマーク ③HW=homeworkの略字 ➃must=必ずやらねばならない ⑤Do 又はTo do=やるべきリスト ⑥check又は✔・☑=チェック項目 ⑦By=~で。~を使って(例)「by bus」⑧他には、=・<>・()・「」・?¥!#$%&’ ➡、など一般に使う記号。
・要は、「出来るだけ、自分にはすぐわかって、他人には分かりづらい記号・文字・内容」
を使うという事です。ただ、あまり、簡略しすぎると、自分でも分からなくなる事もあります。
手帳に書くことで、仕事をするのではありません。手帳に書くことが仕事のメインの様になると、細かく、見ずらくなるばかりです。手帳は覚書です。思考の整理に使う道具であっても、それに使われない事です。
【まとめ】
毎年「今年の手帳」とか「手帳ハウツー」の雑誌が出ます。どの記事も、バラエテイで、人の仕事ぶりがすばらしく見えてきます。もっと簡単には、普通の大学のノート一冊でも、本来十分な事も多いので、見直してみることも必要です。どんなものでも、他人の物は気になりますが、手帳は貴方の物で、他人に見せるための物ではないのです。
いかにいい仕事をこなすため、見やすく、シンプルでどのようにメモるのかが肝心です。
後は貴方の好みを取り入れるぐらいでしょうか。勿論、あなたの大切なものですから、それにのめり込むこともあるでしょう。それはそれでよいでしょう。(おかしなことを言いますが、人は人なので、あなたの好きなようにすればいいのです。)
手帳は新調することで、一年の反省と新年への希望を持つものです。