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タタッタラ

いい加減な人の記憶

2017.10.04 21:30

おはようございます。朝5時から書き始めています。秋はいいですね。夏は既にこうこうと明るい時間帯ですし、トマトの収穫や稲の草取りがあったので、起きたら直ぐに畑や田んぼに行っていました。今は外がまだ暗いので、こういうことが出来ます。


ごめんなさい。先に謝ります。人の記憶というのはいい加減だということをヒシヒシと感じます。昨日のブログ記事"1600-2000"では、予算が不確定な時点で設計依頼が進んでいたことや、専門家による借地契約書作成のことを私自らのアイディアの様に書いていました。ところが、記事内で画像でアップしたLINEのやり取り以前に、光嶋裕介とメールで連絡をしていた記録を発見してみたら、ちょっと話が違ったのです。


「この人の言ってることは、事実とちょっと違うな」


日常生活でよくある話です。この場合の「事実」とは「自分の記憶」のことで、もっというと、「現時点での解釈」が事実であると人は考えることなのでしょうね。人間って自分の都合のいい様に出来てます。うちの4歳児でもあることです。びっくりするほど鮮明に覚えていることができるスーパーフレッシュな子供の脳でも、事実をスリ違えた様なことを言ったりしますが、ただ単にその様に解釈してるってことですね。それとともに、人はそれぞれものを違う角度からみている。今回の経験を基に、これからは人の話をもっと優しく聞けそうです。


photograph©ShuheiNEZU


ということで、新しく発見したメール文面をコピペしながら、今の気持ちでなぞりたいと思います。


2016/08/16 14:06、【模型展について】光嶋裕介から根津修平へのメール

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修平さん、こんにちは、光嶋です。

ご無沙汰しております。
夏の季節の長野は、いかがでしょうか?

さて、
こちら、幾つかの案をあれこれ考えております。
家のコンセプトとしても、
単なる住宅としての「根津邸」というよりは、
実験住宅としての「森の家」ということも踏まえて
ゆっくり考えております。

その後、土地に関しては、なにか動きがありますか?

僕としては、来月20日から東京で個展が始まるので、
その時期は比較的頻繁に東京にいるため、
そのどこかのタイミングで、長野に寄って、第一提案が
できればと考えています。
通常は、予算と工期が決まってから、より具体的に
進めていくのですが、まずは、あの魅力的な土地に対して
どのようなことができるかも考慮して提案できればと思っていますので、
もう少しお待ちください。

また、件名にもあるように、じつは10月中旬から始まる
「東京デザイナーズweek」というイベントのなかの「模型展」への
出展依頼があり、僕は修平さんの家の模型をつくって出したいと
思っています。そこで、相談なんですが、10人の建築家にそれぞれ
畳一枚分のスペースが与えられるので、僕は模型をひとつつくって、
その周りに修平さんの撮った写真を並べて、敷地の雰囲気を伝えられたらと
思って います。なので、将来フォトブックができればいいのですが、
修平さんの撮りためた敷地の写真を何枚か10月までに頂けたらと
思っていますので、よろしくお願いします。
<中略> また詳細は、近くなったら連絡します。

長々とすみません。
また、しおんちゃんに会えるのを楽しみにしています!

光嶋拝

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相変わらず、丁寧な分を書きますね。気持ちが伝わります。メールというより手紙に近い。彼は勝負するときは、これを手書きの手紙にして相手に投函するらしいです。見習いたいです。


それよりも、>>>

通常は、予算と工期が決まってから、より具体的に 進めていくのですが

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このラインです。そう、この世界の通常は、予算と工期が決まってから設計を具体的に進める。ということです。裕介さんはしっかりこのことを述べてましたね。うちのケースの場合はフライングスタートしてます。すみません。


そして、それよりも大事なのは、「東京デザインweek」への模型出展 with私の写真 ということです。そういうつもりは無かったのですが、光嶋裕介にあやかり始めてます!私の写真作品「老人とダリア」がお休み期間に入ってから早2年が経っている頃です。草刈機ばかりを握って、「このまま、ただの農家になっていくのかな〜」とカメラを持つ手を忘れていた様な時です。 嬉しい依頼でした。

photograph©ShuheiNEZU


私の返事も引用します。


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2016/8/18 8:18 Re: 【模型展について】 根津修平から光嶋裕介へのメール


連絡ありがとう!

その後すっかりご無沙汰してますが、日々夢の実現へのワクワクと不安とを行き来してる心境です。

土地契約や資金繰りに関しては、1ヶ月位前にLINEでメッセージ入れた内容から変化なしの状況。農業仕事が最盛期で早朝から夕方まで動いては休みを繰り返し、身体は10キロ近く絞れている夏です。(農作業は痩せるよ^_^;)

土地契約に関しては、法律的にしっかりと契約書を作成の相談が出来る人が相談したいなと考えていたところでした。ネットで落としてきたひな形契約書をアレンジして僕が作っているのだけど、25年契約、その後の更新に関してどうしたらいいのか良く分からんのです。どなたか、書類作成相談させて貰える方、紹介していただく事は可能ですか? もちろん、仕事として。

さて、本題の模型展についてのアイデアをありがとう!!楽しそうな展開になりそうだね(^∇^) 実験住宅設計にタイミングバッチリじゃないですか! 工期、予算不明確な中、イレギュラーな枠に入れて貰って感謝!

労働で疲れてきた夏に、私の写真分野の制作意欲を高めてくれるなんて、なんと素晴らしいこと。ありがとう。話していたフォトブック作りを目標に、模型展にも是非参加させて下さい!©️クレジットは宜しくお願いします。
そうとなったら、更にバシバシ撮らないと!

資金繰りに関しては、(中略)夫婦の収入合算でローン組みが難しいかも(;^_^A 僕の勤続年数(1年4ヶ月)が短いのがあって、住宅金融支援機構のフラット35の方がローンの実現し易いのかと考えてますが、ユースケの今までのクライアントさんでフラット35でローン組んだ方はいる? おすすめの窓口はどこかな? 一応、2000万円を目標にはしてます。

『森の家』の構想がどういう風に展開しているのか、興味深々!! 個展も楽しみだね。9/20過ぎあたりはネギの掘り取り時期になるけど、毎日収穫するわけじゃないし、日没後は必ず時間を作れるので、いつでも寄って下さいな!

諸々楽しみにしてます。




根津修平

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この夏のトマト収穫の時期は疲れていた気がします。(8月いっぱいがトマト収穫時期)銀行の融資を断られていたことで疲労が溜まっていたのかもしれません。上記の「不安」というのは、「予算は集められるのか?」「果たして本当に家が建つのか?」ということなのでしょう。お金の問題が大きいですね。その後、いくつもの仮審査を受けていきますが、OKが貰えるまでこの大きな不安は抱え続けます。


その日の昼過ぎにはレスポンスがありました。彼はいつも返事が早いです。


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2016/8/18 14:16  Re: 【模型展について】光嶋裕介から根津修平へのメール


修平さん、こんにちは。

農業、痩せるんですね、大変だ!
自然と暮らす、大地から生命力をいただくって
壮大なことなんだと、再認識しました。

さて、
まず土地のことですが、司法書士の友人に電話で
話したところ、土地に関しては、用途変更や地元の
ノウハウなどもあったりするから、地主さんと修平さんが
直接やり取りしつつも、第三者としての不動産屋さんが
入って、契約書もその人がつくるのが一番もめなくて、
セーフだと思う、とのことでした。

フラット35は、僕のクライアントには、
いまのところいません。いろいろあるから、
メリットが最大化できるように選ぶのがいいですよね。

実験住宅としてのヴィジョンが共有できて嬉しいです。
難しい課題ですが、しっかりと練りこんで、来月までに
第一案をまとめたいと思います。
予算や工期がまだ未確定ですが、
少しずつ実現に向けて頑張っていきましょう。
ちなみに設計料は、総工費の1割を頂いており、
最低設計料を250万(税別)と設定していますが、(中略) 1)手付金2)基本設計完了時3)確認申請受理・工事スタート時4)竣工時
という具合に4分割するのが一般的にやっていますが、いかがでしょうか?

最後に、模型展への賛同、ありがとうございます!
もちろん、クレジットもしますし、何より多くの人に見てもらって、
知り合いの編集者にも売り込みチャンスですよね、フォトブックつくりたいですね!

どうぞ引き続き宜しくおねがいしま す。
光嶋拝

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減量/ダイエットに興味があるということですね。そして、「大地からの生命力を享受する」さりげなく壮大なことを書いてきます。土地の契約書に関して、裕介が友人の司法書士さんに聞いてくれていたことをウッカリ忘れていました。すみません。ありがとうございます。この意見を受けて、地元不動産屋さんに契約書作成の相談に行ったのです。



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同日 22:12 根津修平から光嶋裕介へ


早速ありがとうございます!

司法書士さんのアドバイスに習って、近くの不動産屋に相談してみます。(中川村には不動産屋はないので、隣町へ行かねばならない(汗)

今日、長野県有力地方銀行の八十二銀行に住宅ローンの相談に行ってきました。もう、ブッチャケ事情を包み隠さず知らせた方がわかり易いと思うので、そのまま伝えます。

去年の収入までをベースにローンを申し込むと、早くて1.2ヶ月後位に約1600万位までの融資が可能性高く、手付金をそれくらいの時期にお支払いすることが出来ると考えてます。  (中略)  そして、今年の源泉が出る頃〜確定申告の頃まで待てば、収入も多少上がることになるし、妻の個人事業の収入も合算してローン申込み出来るかと思うので、目標の2000万融資が近くなると思われます。

その場合、結果がわかるのが今から半年以上先になるかと思われます。こんな事情を伝えられても困っちゃうよね(;^_^A 一般的には手付金は既に払われていなければいけない段階ですか? 50万を早めに用意出来る様、動いてみます。支払いの期限を設けてくれたらありがたいです。他も四分割の支払い方法に沿えるようにしたいと思います。

いや〜楽しみになってきた(^ ^)

モチベーションもあがり、図書館でいろいろ借りてきた^o^今夜眺める本(^ ^)

image1.JPG

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(中略)としているところは、公開出来無い事情があり省いていますが、包み隠さず書きすぎて妻から怒られるギリギリのラインでお伝えしてます。(後から編集できるからいいか?!)


建築依頼者=施主=私はお金のことに関して相談できるのは銀行の融資窓口なのですが、その内容を相談できる相手がいなくて困りました。今まで扱ったことのない大きな金額を抱えて、相談できる人があまり見当たらないという孤独感を感じました。そういう意味で、大手住宅メーカーの営業マンはいい存在なんですね。設計者でもなければ、融資の窓口でもない間にいる両者のことをわかっている人。多くの人が住宅メーカーで家を建てる理由の一つはここにあるのではないかと私は想像します。


6時半になりました。娘はまだ寝てます。昨日、今日はかみさんが東京仕事で不在なので、これから朝ごはん、洗濯、保育園送りです。


photograph©ShuheiNEZU