金襴の発色と色落ち
よさこい衣装に使用する金襴の発色と色落ちについてです。
まず金襴は、主に縦横共、ポリエステルの糸を使用しているものと、横にアセテートの糸を使用しているものがあります。
前者の場合、色落ち(堅牢度)の問題はまずありませんが、アセテートというのは、色落ちという問題があります。
しかし、とても発色が良いのが特徴ですので、赤や紫・青・緑など、はっきりした鮮やかな色の金襴には、このアセテートの糸が使用されていることが多くあります。
元々、アセテートとは木材パルプを主原料とし、パルプに含まれている繊維素を酢酸で反応させて作った半合成繊維です。
絹のような光沢と風合いをもち、深みのある鮮明な発色が特徴で、弾力性がよく、比重も軽く、ハリ感やドレープにも優れています。
アセテートは、レーヨンと同じように、1本1本の繊維断面が天然繊維のようにランダム構造となり、さらに乾式紡糸によるため、側面が滑らかとなり絹のような優雅な光沢を出しているのです。
つまり、横糸にアセテートを使用すると、ものすごく綺麗な色は出ますが、色落ちの危険性もありますよということなんですね。
堅牢度にして3前後の基準となるそうです。
主な色落ちは日光による退色です。
よさこい衣装のように、一年に数度の使用で、尚且つ使用しても2年などという期間では、まず問題ないと思われます。
又、汗や雨による、他の生地への色移り(俗に言う色落ち)ですが、これはその使用頻度・使用条件・使用環境によって違ってきますが、弊舎では基本帯裏(羽織に触れる部分)などは、別生地を使用することが多いですので、直に体から大量の汗が金襴に付着するという条件が、長時間・頻繁に重ならない限り、問題ないと思われます。
又、羽織を白にされる場合は、万が一のことを踏まえ、衣装の仕様を工夫されたほうが宜しいかと思います。
多少の汗や雨・日光で色落ちするということはございません。