日本の経済の話 その2
今回はまずは金利の話からしようかと思います。
まず、金利には名目金利と実質金利の二種類があります。
名目金利とは私たちが銀行などに預けたりした時によく見る金利のことを指します。それに対して、実質金利とは簡単にいうと名目金利と物価の変化を鑑みた際の金利のことを指します。
名目金利と実質金利どちらが重要かというと理論的には実質金利の方が重要になっています。
例を用いて説明しましょう。金利が年間1%で100万円預けるとします。すると101万円になりますよね。その時に10000円のものをもともと100個買えていたが101個買えます。しかし、物価が2%上昇していた場合、商品は10200円になるので買うことができるのは約99個です。この場合はもともと100個買えていたので実際は損したことになりますよね。
逆に金利が同じく年間1%でも物価が2%下落した場合、預金は101万円で物価は9800円なので103個商品を買うことができます。この場合お金を預金していた方が実際得になるというわけです。
つまり、家計などが銀行にお金を預けるかどうかは、数字として出ている名目金利に注目するのではなく物価の変化を加味している実質金利に注目しなければいけないということです。
実際問題実質金利は物価がどう変動するかなど難しい点が多いなどの理由で家計などでは気にされていませんが。少なくとも私は気にしたことはありません。
なので実質金利が低ければ家計は消費をし、逆に実質金利が高ければ家計は貯蓄をするということです。
また、細かい計算は省きますが、企業も金利が低いと投資を活発にし、金利が高いと投資を控えるようになります。これは一時的に銀行に金を融資してもらうので返す金額が金利に依存するからです。
なので企業も実質金利が低いと投資を行い、実質金利が高いと投資を控えます。
なので実質金利が低いと消費と投資が盛んになる、実質金利が高いと投資と消費が控えられるということです。なので実質金利が低い方が経済が回るので好景気になりやすいということです。
さて、ここで実質金利は経済学の中でちゃんと式として一般化されています。細かい計算は省きますが、 実質金利≒名目金利ー物価上昇率 と定義されています。しかし、本当に誤差に近い計算になるので≒ではなく=とされることもあります。
ちなみに物価上昇率とはその言葉通り物価の上昇した割合を示すものであって、昨日の記事で出てきた言葉を使うと、物価上昇率が高いとインフレであり低いとデフレということです。
先ほど実質金利が低い方が経済には良いということを言いました。実質金利が低いということは名目金利が低い、もしくは物価上昇率が高いと実質金利が低くなるということです。
金融政策ではこの二つに働きかけるようにしてきました。特に名目金利を引き下げるようにしています。ここからはその政策について話していきます。
さて、日本銀行は市場に直接関与することはできません。なので基本的には市中銀行(一般的な銀行)を経由するように市場に働きかけています。
日本銀行が現在働きかけることができるのは公開市場操作、預金準備率操作、コールレート操作です。この中でコールレート操作を行っていました。
コールレートとは、銀行間でお金をやり取りする市場をコール市場というのですがその金利をコールレートと言います。ちなみに、コールレートが下がるのと同時に名目金利は下がります。
金融市場ではお金の量が増えると金利は下がります。金利を下げて金を借りてもらおうとするということです。
なので日銀は銀行を介して市場に多くのお金を流すことによって名目金利を引き下げようとしました。これを量的緩和政策と言います。さらに追い討ちをかけて企業の社債などを購入する信用緩和政策も行いました。これは確かに金利は下落しました。
しかし、効果は薄かったので、次にゼロ金利政策に打って出ました。これはさらに多くのお金をコールレートがゼロになる水準まで銀行に渡そうという政策です。その結果として名目金利は非常に下がりました。現状、銀行に預けても雀の涙程度しか金利はつかないでしょう。
ではその効果があったのかということですが実際あまりありませんでした。
少し詳しく説明をしますと、名目金利は確かに下がりました。しかし、様々な要因はあると思いますが家計は消費を思った以上にしなかった。その結果として家計はタンス貯金に回ってしましました。銀行に預けても金利はないですしそれなら持ってた方が便利ってことですかね。
さらに企業も投資はあまりしませんでした。これも様々な要因がありますが黒字主体、つまりお金に困っていない企業が増えたということです。さらに儲けを貯蓄する、最近はよく耳にするかと思いますが内部留保という形で持っているなどなどです。
その結果として銀行はお金を持っていても貸す相手がいない状況に陥りました。その結果として銀行が日本銀行に持っている口座(日銀当座預金)に預けるようになりました。少しでも金利をもらおうということです。
ということは日銀はお金を市中銀行等に渡したのに結局市場に回っていないということです。
これではいけないということでさらなる一手としてマイナス金利を打ち出しました。これは先ほど出てきた日銀当座預金の金利をマイナスにするということです。つまり日銀当座預金に預けるなということです。
その結果として市中銀行は困ります。お金はたくさん持ってるけれど貸してがやはりいない状況です。そうなって市中銀行は国債を買うようになりました。
日銀は金融政策の一環として国債を莫大な量買っています。とりあえず買っています。それで色々問題はあるのですがここでは一つだけ。その結果国債の金利がマイナスになりました。国債の金利がマイナスでも日銀が買ってくれるということです。なので日銀は損する商品を買い続けているということです。
と、ここまでの金融政策で紆余曲折はありましたが名目金利は実質下限値まで来てしまいました。(理論上はマイナスにもなり得るのですが割愛します。)
なので実質金利へのアプローチも名目金利からでは実際不可能であるということです。なので安倍首相は日本銀行の黒田総裁とともに物価上昇率2%に手を出しているということです。
なので景気が良くなるように現在奮闘しているということです。様々な弊害はありますけれど。
ということで結論としては家計が消費をあまりしない、企業が投資をしない現状をなんとかしようとしているということです。ここでの大きな問題は企業の内部留保とタンス預金であると私は考えています。それに対する改善策を次にあれします。