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新経済連盟が改正『消費者契約法』の規定案に反対

2017.10.11 03:05

【ビジネス報道】 経済団体の新経済連盟(代表:三木谷浩史)が、平成二十九年九月十五日に消費者庁/内閣府へパブリック コメント「消費者契約法の見直しに関するご意見募集」に対して意見を提出した。同庁は本件に関し、八月二十一日から九月十五日まで国民の意見を募集していた。


新経済連盟は、本件の意見対象である『報告書における消費者契約法の改正に関する規定案』につき、「立法事実の確認が不十分」「事例収集や内容分析の手法を改善すべき」と全面的に反対。本規定案は消費者契約法 専門調査会(座長:山本敬三「京大」大学院教授)が八月に出した報告書と、これを受けた上位の消費者委(委員長:河上正二;当時)の「消費者契約法の規律の在り方についての答申」を以って作成された。



<契約無効の拡大化>

 規定案は消費者を過保護している感があり、ビジネス サイドにとってはB2C契約における様々な負担が予想される。


同連盟は政府が新たに明文化したい「条項使用者不利の原則」や契約締結時の年齢聴取、恋愛感情による契約締結を「困惑」に含み取消可能対象とする点、不当条項の追加(下記)、例外なき約款の事前開示等に関して反対とした。


次に掲げる消費者契約の条項は無効規定を設ける、としている。




「広告」が「勧誘」に当たらないという事はできない

 また契約解除時の無効規定の一つに「平均的な損害の額」を超過する部分があり、この「平均的な損害の額」を規定案では同種の事業者(事業の類似)から平均を算定する旨が記されたが、同連盟は「類似性の要件は厳しくすべき。事業規模だけでなく、市場内での立ち位置等も加味するべき」と意見。無効を主張する為には立証が求められるが、規定案は類似する同業者のキャンセル料一覧や規約を提示する程度に想定されている。


更に同報告書内の「勧誘」要件の在り方に言及。勧誘に広告を含む考え方に反対した。これは一月二十四日の最高裁判決(クロレラチラシ配布差止等請求事件)において、チラシの配布が勧誘に当たるか否かが争われ、最高裁は一重に勧誘に広告を含むと明言しなかったが、原則的に広告を勧誘に含むと見做した。同連盟は『「勧誘」と「広告」は本来概念や態様を異にするもの』と主張。広告を原因とする契約無効を忌避した。


記事:羽田野正法×撮影:金剛正臣