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論文等:刑事手続における遺留物の領置・再論

2022.01.13 02:08

山口厚ほか編『寺崎嘉博先生古稀祝賀論文集上巻』(成文堂、2021年)99頁以下に、「刑事手続における遺留物の領置・再論――敷地内のごみ容器・ごみ集積所からの領置」を寄稿させていただきました。なぜ「再論」かといえば、2005年に公刊した「刑事手続における遺留物領置―合衆国における「放棄された財物」―」修道法学27巻2号(2005年)77頁以下で、検討できていなかった事項について論じたものだからです。

もともと、ある刑事事件において意見書の作成を依頼され、その際に主張したことに肉付けしたものです。その事件は、アパートの敷地内に、居住棟とは独立した物置型のごみ排出場(引き戸があり普段は閉められている)が設けられており、そこに捜査機関が立ち入って被疑者の排出したごみを領置した事案でした。そのため、この論文も主たる関心対象は、そのような事案の適否を論じる点にありました(当該事件の弁護人の先生方とは、意見書の作成の過程で意見交換をする機会もあり、大変有益でした)。

なお、同論文集では、偶然ではありますが、松代剛枝先生が「私領域のごみ置場に置かれたごみの取得捜査――アメリカ法を手がかりとして」を寄稿されています。アメリカの下級審裁判例を丁寧に渉猟されたご論文であり、勉強になりました。

併せて読んでいただくとともに、ご批判いただけますと幸いです。