初心者が外岩に行く場合に持っていくもの
10月、うだるような暑さが引いて徐々に寒くなってくるこれからのシーズンは外岩へ行くのに最適ですね。
【外岩へ連れて行ってもらう時に持っていくもの】
はじめての外岩を初心者だけで行くなんてことはないでしょう。必ず経験豊富なベテランクライマーに連れて行ってもらうことになると思います。
そんなベテランクライマーに外岩へ連れて行ってもらうとき、初心者クライマーはどんな装備を持っていけばいいのでしょうか?
1.岩場に必ず持ってきて欲しいもの
■ 35L以上のザック
安全のため、アプローチの歩行は両手が自由になる状態でなければなりません。必ず両手が自由になるザックタイプを用意してください。ショルダーバックはNGです。
登攀用具を持参しない人は、ベテランクライマーの共有装備を分担していただく可能性があります。ですから必ずザック空き容量に余裕がある状態にしておきましょう。
「自分は初心者なのでこのぐらいのサイズでいいだろう」とデイバックに自分の道具だけを入れて参加されることがないようにしましょう。
■ ハーネス
安全を確保する最も基本的な装備です。ジムで使用している場合でも必ず外岩出発前にはハーネスに亀裂や綻びがないかチェックしてから外岩へ挑むようにしましょう。
■ チョークバッグ
ジムではあまりチョークを使用しない人も外岩では岩が湿っていたり、土がついていたりとジム以上にチョークの必要性を感じる場面に遭遇します。チョークの量も確認し少し多めに用意しておくことをお勧めします。
■ クライミングシューズ
外岩はジムでのホールドと性質の異なる登り方が必要になる場合があります。小さな結晶のようなホールドに乗り込んだりする場合は固めのソールが必要であったりする一方で、スラブでは足裏感覚の優れた柔らかいソールが必要だったりします。
またマルチでは長時間クライミングシューズを履いていなければならず、少しサイズの緩いシューズが便利だったりします。マルチをしないとしてもジムよりも長時間クライミングシューズを履いていることが多いので、用途に合わせたシューズを持っていくと良いでしょう。
■ 歩ける靴
登ることができる岩場までトレッキングが必要な場合は多いです。サンダルは足を怪我する可能性があるので危険です。軽い登山が可能なトレッキングシューズやトレッキングが可能なスニーカーを用意しましょう。
■ 雨具(レインウェアが望ましい。無ければ傘で可)
山の天気は非常に変わりやすいです。天気予報が終日晴れでも突然雨が降ったりします。山で濡れることは即身体の体温を奪われ命の危険があります。必ず雨具を用意しましょう。傘は山道の移動では使えないので、できればレインウェアにしましょう、レインウェアは防寒着としても活躍します。
■ 非常食
万一山で事故に遭うと予定通り下山できない場合があります。そのような場合ビバークが必要になります。軽くてカロリーの高い「スニッカーズ、カロリーメイト、ソーイジョイ」のような食糧を用意しておきましょう。
2.所有していれば持ってきて欲しいもの
■登攀用具(ビレイデバイス、ロープ、ロープバッグ、ヌンチャク、カラビナ、スリング、ヘルメット)
初心者はこれらの道具を自前で持っていないことも多く、ほとんどをベテランクライマーに借りることになることでしょう。しかし、ずっとそれに甘えるわけにもいきません。せっかくですし、自分で購入した道具は積極的に持っていき使用しましょう。それらを使用することで一人前のクライマーに近づいていきます。
■ブラシ
外岩はジムとは異なり岩が常に雨ざらしの状態です。ジム以上にブラシで掃除することが多くなります。ベテランクライマーだけの掃除をお願いしなくても良いようにブラシを用意しておきましょう。クライミング用のブラシがない場合は使用済みの歯ブラシでも大丈夫です。
■ヘッドランプ
初心者が夜間クライミングをすることは絶対にありませんが、山では何が起きるかわかりません。事故によりビバークすることもあるでしょう、また遭難時に自分の居場所を知らせる信号の役割も果たします。移動しながら使用できるように、懐中電灯ではなく、ヘルメットに取り付け可能なヘッドランプにしましょう。
■トポ
トポ(TOPO)とはTopography(地形・地勢)の略で、フリークライミングで使用するルート図のことです。岩場の絵や写真にルート名やグレードが載っています。
■救急セット(テーピング、痛み止め等)
外岩では自然の岩を素手で触るので、ジムでは起きない怪我をすることがあります。テーピングや絆創膏等ジムでのクライミングで必要な応急治療用具に加えて、ファーストエイドキットや蛇や蜂に刺された場合、毒を吸い取るポイズンリムーバーを用意しておきましょう。
クライミングはcrew全員の協力が必要不可欠です。初心者だからこそできることがたくさんあったりします。ベテランクライマーの負担が少しでも軽くなるように、積極的に声をかけて必要なモノを持っていくようにしましょう!