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御意見番NobuコラムVol.2 不可解な判定

2017.10.12 10:17

5月の有明コロシアムでのWBAミドル級タイトルマッチで判定結果がコールされた時、「えーっ」て叫んだ人は少なくなかったと思います。

10月22日に再戦されるとのことで、時節柄、不可解な判定をされたタイトルマッチを紹介したいと思います。 

60歳近くの私が、小学生の頃だったので、かれこれ、50年ほど前だったと思います。日本人6~7人目のボクシング世界チャンピオンで、小林弘というチャンピオンがいました。階級は、当時のジュニアライト、今でいうスーパーフェザーだったと記憶しています。彼は、雑草男とか呼ばれ、素晴らしいチャンピオンであったと記憶しています。ただ、現代のチャンピオンと異なり、決定力に欠け、彼がキレの良いパンチ一発で相手をノックアウトしたのは見たことがありません。彼がタイトルを獲得した試合は、初めての日本人同士のタイトルマッチで、精密機械と言われた、沼田義明を12ラウンドか、13ラウンドにノックアウトして獲得したタイトルであったが、キレの良いパンチではなく、じわりじわりと沼田を弱らせノックアウトしたものと記憶しています。記憶の中なので実際は違うかもしれませんが、彼がスカっと倒す場面は記憶にありません。  

そんな彼の防衛戦が、際どい判定に委ねられることは今では、容易に判断できる。そんな彼が6度も防衛し、長らく日本人の最多防衛記録を持っていたことを知っている人は多くないでしょう。6度の防衛戦の中、彼の負けと判断されてもおかしくない試合が3度あった。

初防衛戦のレネ・バリエントス(フィリピン)戦と3度目と5度目の防衛戦のアントニオ・アマヤ(パナマ)戦である。とくに5度目の防衛戦であるアントニオ・アマヤ戦は、ひどい判定であったと記憶している。15ラウンドを通してアマヤの左ジャブがビシビシとあたり、後半の小林の顔半分は血だらけ、今風のラウンドマストシステムの判定では、大差でアマヤが勝っていたと思う。

当時の判定は5点法、明らかな優勢でなくては、5-4はつかない。しかも、なぜかジャブは、判定の基準にはなく、何発当たろうが、どんなダメージを与えようが、ポイントにはならない。さらにタイトルマッチにもかかわらず、レフェリー、ジャッジはすべて日本人。

今ほどのコミッションの縛りもなく、ノックアウトしないと、日本からタイトルは取れないと言われていた。初防衛戦のレネ・バリエントスは、その後、当時、新興団体であった、WBCジュニアライトのタイトルを取っているので、比較的に、幸せな選手人生を送ったと思うが、アマヤはその後、良い情報がなかった。

彼(アマヤ)にとって、日本の印象はどんなものだろうか。ボクシングや総合格闘技は、判定により勝敗が左右されることが多い。その勝敗により、選手の人生そのものが左右されることをジャッジの方々は十分に考慮していただきたい。

判定基準を明確にすることは、コミッションの仕事と思う。複雑ではなく、シンプルな判定基準の設定を望みます。                                  以上