外装リフォームを獲得するための営業のコツ~プラスαの提案~
外装リフォームの教科書 Vol.13-4
外装リフォームを獲得するための営業のコツ~プラスαの提案~
外装リフォームはお客様にとって不安要素が多い工事です。単に綺麗にするだけのつもりでいても、不具合が見つかるたびに工事内容がどんどん膨らみ、「不必要な工事まで含まれていないだろうか」「本当に今必要な工事なのだろうか」「日中不在で都度確認できないから心配だ」と疑心暗鬼になりがちです。
外装営業ではそうした施主の不安を取り除くために、どのようなことに気をつけるべきか、またどのようにしたら納得してらえるかを工夫していくことが大切です。
プラスαの提案を
お客様の要望をそのまま鵜呑みにして見積もりに反映してしまうと、他社との価格競争に陥りやすい。築年数や使用している外装材が同じでも、環境や過去のメンテナンスなどによって劣化にも違いがあるので、この家に必要な工事は何かということを第一に考えることが大切だ。また住む人のライフスケジュールによってもプランは違ってくるので、さまざまな観点からみて是非勧めたい、あるいは必要と思われることがあればプラスαの提案に活かしていこう。
「要望」と「必要な工事」は違う
「汚れてきたから塗装したい」というお客様の要望通りに塗装をしたら、あとから「どうせやるなら足場がある時に雨樋も交換したかった」と不満を言われてしまった…。
こういった残念な話にならないためにはどうしたらよいだろう。「塗装したい」という要望の奥には「アドバイスをしてほしい」と誰かを頼りたい気持ちが少なからずあるもの。雨樋から雨水がポタポタ落ちてくる現象は晴れている時にはわからないが、現場調査の時に「雨水が落ちることはないですか」と聞けば「あ、そういえば困っているんです」とお客様は胸のつかえがとれたように喜ぶかもしれない。プラスαの提案をすることで塗装工事に付加価値が加わり、他社との差別化を図ることにもつながるだろう。
なぜすすめるかを明確に
プラスαの提案は、「押し売り」と思われないよう、何故この提案をするのか、何故予算オーバーになってまでやらなければならないのかということを理解してもらう必要がある。お客様からは「今やらなきゃいけないの?」「見た目はそんなに傷んでいるように思えないけど」などと、なるべく避けたいという声を浴びせられるかもしれないが、必要な工事ならお客様のためと思い、ぶれない気持ちで対応しよう。足場を建てる工事はこの先10年以上も無いということ、それまでに大きな台風が来たら内部まで被害が及ぶ等々、わかりやすい資料を見せながら説明しよう例えば…
「二階のシャッターの開閉音が大きく、開けっ放しにしているというお話がありましたが、足場がある時なら新しいシャッターに交換することもできますよ。シャッターボックスも錆がきて弱っているようで、塗装しても金属本体の強度は変わらないですから」といった具合に。
【先輩達の武勇伝】
施主の背中を押すことも大切
提案すべきことは臆せず提案するという凄腕の先輩に同行させてもらった時の話です。向かうお宅は60代の女性の一人暮らしで塗装工事の見積もりを依頼されています。ところが玄関に入るとお客様は「ちょっと待って、今度あなたが来たら、近くの電気屋さんに来てもらうことになってるの」と慌てて受話器を握りました。聞くと、先輩は塗装と一緒に横引き雨戸を電動シャッターに交換することを勧めているとのこと。どうやらお客様は「高いものを売りつけて…」と思っていらっしゃるよう。
まもなく電気屋さんが到着して商談が始まると、お客様は雨戸をギコギコと閉めはじめ、「まだ動くのよ!壁の塗装だけすればいいのよ!」と提案を拒否。それを見た電気屋さんは「いや、10年先は開けられなくなるよ。電動シャッターに交換したほうがいい」と、なんと断るどころか逆に交換を促してくださったのです。そしてその場であっけなく契約成立となりました。
リフォマガ2021年9月号掲載
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