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【紹介:楽しい夜@別府】大分 別府・FUNK(ファンク) ALL LIGHT・JAZZ CAFE BAR(オールライト・ ジャズカフェバー) 22/04

2022.09.07 20:55

大分 別府にあるFUNK ALL LIGHT・JAZZ CAFE BAR(ファンク・オールライト・ジャズカフェバー)さん。

温泉旅行の楽しい夜に立ち寄るジャズ愛好家も多い店ですが、まったりとジャズを聴きながら明るく陽気でおしゃべり好きのママと話をしていると、いつの間にか夜が更けていくキケンなお店。

そんなママのお気に入りは往年の名ピアニスト 菅野邦彦さん

その名盤における生き生きとした躍動感溢れる楽しい演奏も、こんな老舗ジャズ・バーならでは。


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【以下、2017/11の記事を転載】

今回は久しぶりの大分遠征。

まずは、温泉で有名な別府の飲み屋街の一角にあるFUNK(ファンク) ALL LIGHT・JAZZ CAFE BAR(オールライト・ ジャズカフェバー)さん

営業時間の情報がネット上では認識出来なかったため、とりあえず急いで向かい到着したのが21時過ぎ。最近は毎日20時過ぎから25時頃までは営業しているとのことでしたので、結果的にはあんなに慌てなくても良かったのですが。笑

いずれにせよ、いかにも昔よくあった飲み屋さん街に懐かしい気分を覚えながら無事お店に辿り着き、気合いを入れて扉を開けたところ、目に飛び込んできたのは乱立したパイプのオブジェ。

広い店内を左右に分けるブラインドみたいなものなのだそうですが、いきなり何事かと戸惑ったところからスタート。

気を取り直してカウンターに座らせていただいたところまでは良かったのですが、その後はママに話を伺うキッカケが全く作れないというこれまでにない不本意な展開。

お客さんの話が途切れてもうまく話題をつなぎ、こちらのお客さんのビールがなくなったら何気なく寄って来て注ぎ、また自然な感じで元のお客さんとの会話に戻られるママ。

ずっと機会を伺っていましたが、ジャズバーでは見かけたことのないこの丁寧な接客ぶりに、もしかしたらここはスナック?!等と疑い始める始末。


遂には、お客さんも長居しそうだし、今日は退散して他の店に移った方がいいのかも?!等と考え始めたものの、でもスナックにしては鳴っているジャズのボリュームが大き過ぎるよなぁ、いやいや、これが結構、いい音で鳴っているよなぁ等とも思い始め。。。真面目に聴き始めたら、この菅野邦彦さんのLP「ライブ!」の生き生きとした躍動感溢れる楽しい演奏にどっぷり引き込まれてしまい、いつの間にか小さな声でいぇ~とか言いながら音楽に没入している自分。

このレコードが終わった頃には、ママと話をしたければ常連さん達が帰るまで待てばいいだけじゃん、とすっかり覚悟が決まっていましたが、それよりともかく気になったのがこのお店の音。

このまったりしたいい音は、福岡・天神南のJAB(ジャブ)さんとか柳川のFUNCOOL(ファンクール)さんのような老舗ジャズ・バーのもの。

後でわかったことですが、恐らくこのお店は大分最古のジャズ・バーで既にママはこのお店の4代目。お店を倍に拡張・パイプのオブジェ等の内装を整え直して今のお店になってから30年、数年前に亡くなられた3代目の旦那さんとこのお店を引き継がれてから44年、スピーカー自体は、初代が作られたので、50年近い年代物。

ちなみに、この日のお客さんの一人は、40数年前、出張で来ていた時に通い始め、紆余曲折の末、定年後はこのお店があるからという理由で別府に移住して来られたという筋金入りの常連さん F氏。

そしてこの方のお気に入りのピアニストが菅野邦彦さんだったことから、この「ライブ!」というレコードが掛かり、このレコードを私が気に入ったことがF氏との会話のキッカケとなり、最終的にはママとの会話のキッカケになりました。

しかも、後でママ曰く「この人、普段は一見さんに声を掛けるような人じゃないのよ」だそうで、しかも、このF氏、先に挙げた柳川のFUNCOOLさんでも常連さん。

最近思うことはいつも同じですが、縁って、本当に面白いです。


そして色々話し始めて、よくわかりましたが、ママは陽気で明るいおしゃべり好き。

この機嫌良さそうな招き猫は湯布院・輪葉葉(ワハハ)工房のものですが、「これ、とっても人気があって、なかなか買えないのよ。私は知り合いからもらっちゃったからいいけど。笑」といった感じ。

その後、その常連さんがお帰りになった直後に来られた常連さんが、仕事帰りに寄られたプロのピアニスト 長谷部彰さん。

この方、今は東京から大分に戻られ、未だに訪問出来ていないジャズ・バーBRICKBLOCK(ブリックブロック)さん等でご活躍中とのことですが、とても気さくな方でこれまたおしゃべり好き。


「音や演奏を聴いただけで誰かわかるかどうかが大切。外人はオリジナリティを一番大切にしているし、自分が作ってきた音、自分だけの音がある」と長谷部さんがおっしゃったところ、ママが「そういう意味では、私はこれが好き」とおっしゃり、レコードがさっと出てくる。

ドラマでも見ているようなよく出来た展開に酔いながらも、聴かせていただいたのが、エロル・ガーナのミスティ。

「このエロル・ガーナのピアノは、オンビートの左手に対して少し遅れる右手(ビハインド・ザ・ビート)に特徴があるんだけど、一時期、菅野邦夫もハマってたよ」等々、長谷部さんのピアニスト・ジャズプレーヤーの観点からの含蓄に富んだご発言の数々(注)が本当に面白く、長く東京でご活躍されておられた方ならではの芸能裏話等も交え、おしゃべり好きの集いは延々と続き、気がつけば25時過ぎ。

その後しばらくいらっしゃったHさんがお帰りになられた後も、私の持って行ったCDやママの好きな秋吉敏子等のレコードをかけていただいたりして、はたと気づけば27時半?!


何と、6時間強も居座っていた計算になりますが。。。まぁ、実に楽しい時間でしたし、なるほど40年来の常連さんがいるお店だと深く納得した次第。

翌日はお昼前にゆっくり動き出して、九州ジャズロードの筆者 田代さんがこのお店の後に行かれたという別府駅前の駅前高等温泉へ。

熱いお湯(44度)、ぬるいお湯(熱いお湯をぬるめても可。笑)、共に200円で入れるとってもリーズナブルな公衆温泉ですが、誰も入っていないこの時間だとぬるいお湯でも熱いのなんの!とは言え、その熱さが途中から気持ち良くなり、他に誰もいないことをいいことに、出たり入ったりして楽しみました。

尚、もし行かれる際は、タオルは当然ですが、備え付けのせっけん、シャンプーどころかドライヤーもなく(後でネットで調べたら有料で置いてあったようですが。苦笑)、鍵のある有料ロッカーは入口にしかありませんので、お気をつけください。


(注)興味深かったご発言を少しだけ紹介しておきますが、長谷部さん、遅くまでどうもありがとうございました。今度、演奏を聴きに伺いますので、またよろしくお願いします。

・ジャズの演奏で本当に難しいのは、メロディ、テーマの本来の魅力をちゃんと出してあげること。これをずっと大切にしている小曽根真はスゴいと思う。

・英語は言葉にリズムがあり、ジャズを歌うにはそのリズム感が大切。

・クラシックの勉強はジャズにも役に立つ。例えばマーラーの交響曲第5番のアダージェットの楽譜なんかを見ているとコード進行が面白い。

・クラシックのピアニストで無茶苦茶すごいのは、ルース・スレンチェンスカ。演奏解釈の深さが違う。。。早速、発注しました。笑

・大分空港近くの艸艸庵(ソウソウアン)というカフェはおススメ。15時以降だとジャズが聴けるはず。。。とても面白そうなので、機会を作って是非行ってみます。

【駐車場:無(近隣にコインパーキング多数有)、喫煙:可】


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※このお店は弊著「九州ジャズ・ガイド 第①号( ↓ )」にも掲載されておりますので、よろしくお願いいたします。 

 

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