『チョンティチャ / Chonticha at end of the summer』(日本)
あらすじ
ミャンマー人の母とタイ人の父の間に生まれた16歳のチョンティチャは、日本に生まれ育ち、母と母の再婚相手高橋さんと暮らす日々。居場所、名前、違和感を抱えながらも、心に波風を立てぬよう静かに暮らしていたが…いつもより少し煩い、16度目の夏。
実行委員による審査講評
”蝉の声と家族、16歳の夏”
私はだれ。その答えを求める少女はまっすぐで、気持ちを隠すことなんてしない。発する言葉は鋭く、周りを、そして自分を傷つけかねない危なっかしさがある。素のままに生きる彼女の姿、それを荒削りに映し出したショットの力こそが、この作品の魅力なのだ。立場や環境は違えど、居場所を自分の中に探す姿は私たちにもあるのではないだろうか。
監督について
福田芽衣(Mei Fukuda)
1995年兵庫県出身。東放学園映画専門学校卒業。在学当初は監督志望ではなかったが、初監督作の短編『穴のなか』制作をきっかけに、映画制作を始める。その後、卒業制作として二作目『チョンティチャ』を手がける。本作は第29回東京学生映画祭コンペティションにノミネートされた。
コメント
各国の素晴らしい学生作品の中で『チョンティチャ』を上映していただけること、大変光栄で、恐縮です。この映画は、所謂在日外国人の女の子を主人公とした作品ですが、わたしが映したのはその状況や環境などの深刻な事ではなく、チョンティチャというただ不器用な女の子の姿です。世界中のどの国のどんな環境の中にもいる、孤独と生きる「チョンティチャ」へ。ひとりでも多くの方に届いてくれれば幸いです。
影響を受けた監督や作品
大林宣彦監督、園子温監督、岩井俊二監督、塩田明彦監督、大島渚監督、三木聡監督、山下敦弘監督、李相日監督、安藤桃子監督、…等、私の人生に影響を及ぼした作品の監督方を挙げだすとキリがありません…すみません…
海外作品だと、グザヴィエドラン監督、キムギドク監督、ポンジュノ監督の作品が好きですが、これもまたキリがないです…
作品情報
実写部門
日本/2017年/40min
東放学園映画専門学校(TOHO GAKUEN Film Techniques Training College)
スタッフ:<監督>福田芽衣
<撮影> 髙橋チョンティチャ
<照明> 林里美
<録音> 宮崎まどか
<編集> 松井啓人
キャスト:長月凜 秋葉智人 ほか