『FILAMENT』(日本)
あらすじ
雄介には誰にも言えない秘密があった。彼は空を飛ぶことができたのだ。20歳になり、初めてその秘密を打ち明けられる女性と出会う。幸せな時間が流れ、雄介は昔からの夢だったヒーロとして活動を始める。しかし彼を待っていたのは厳しい現実だった。夢を追う者の、厳しい現実との闘いが始まる。
実行委員による審査講評
”まばゆさに目をくらませて”
ヒーロー映画における善と悪を描くこの作品は、単なる勧善懲悪の物語にはとどまらない。善、そして光のアイコンたるヒーローであることへの絶望や葛藤、加えてヒーローへの屈折した憧憬が、重厚なストーリー構成と高い映像技術で巧みに表現されているのである。光には常に影が付きまとう。その影は、いつも光自身から生み出されているのだ。
監督について
田中 大貴(DAIKI TANAKA)
1994年生まれ、23歳。東京都出身。小学生の時にスターウォーズを見たことがきっかけで、映画の世界に魅了される。日本大学芸術学部映画学科監督コースを今年3月に卒業。今作は、JPPA(日本ポストプロダクション協会アワード)2017 学生映像技術ドラマ部門 シルバー賞やカナザワ映画祭2017 審査員特別賞(ぶんまわし賞)などを受賞。
コメント
この映画はヒーローという存在を扱った作品ですが、そのファンタジーの中に“夢を追う厳しさに立ち向かう人間の姿”を描きました。だからこそアクションやCGにこだわるだけでなく、キャストとスタッフ一人ひとりがこの映画の登場人物たちのように、夢と向き合いながら全力で戦い抜きました。夢を追う者の、現実との戦い、挫折、そしてその生き様を、是非見届けてください。
影響を受けた監督や作品
影響を受けた監督は、ジョージ・ルーカス監督、クリストファー・ノーラン監督、ニコラス・ウィンディング・レフン監督です。影響を受けた作品は、上記監督の作品に加えて「ターミネーター2」「十三人の刺客」「スーパー!」です。
作品情報
実写部門
日本/2017年/30min
日本大学(Nihon University)
スタッフ:<監督/脚本/編集/VFX>田中大貴
<撮影/照明>鈴木隆造
<録音>荒川翔太郎
キャスト:藤井草馬、芳村宗治郎、東嶋満里奈、斎藤瑞季、仲義代、松田真織、きくち英一