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『PRIA』(アメリカ)

2017.10.16 04:00

あらすじ

インドネシアの農村に暮らす青年は、自分の生い立ちにまつわる因習と、西洋の自由への理想化した空想との間でもがいていた。


実行委員による審査講評

”慕情の果て、光に焦がれる”

当然だと考えていること、それは誰かにとっての呪縛なのである。許されるはずもない思いをひそかに抱える青年は、現状を変えるすべを何一つ持っていなかった。理想化された自由の幻想は、はるか遠くでむなしく輝いている。鏡に映る自分に目を伏せた彼は、どのような道を歩むのだろうか。幸せのかたちに満たされる瞬間は来るのだろうか。その決断は、私たちにちりりと焦げ付く胸の痛みを与える。



監督について

Yudho Aditya

インドネシアのジャカルタに生まれ、9歳の時に就学のためアメリカへ移住。現在はコロンビア大学のMFA(美術修士課程)監督コースに在籍。2015年の夏、インドネシアの農村部で5ヶ月間を過ごし、『PRIA』の原形となる台本を書き上げる。そしてさらに3ヶ月間をかけ、本作のプリプロダクション及び撮影を行った。手がけた短編のコメディ作品『Pipe Dream』は30以上もの映画祭にて上映され、現在ワーナー・ブラザーズ・テレビジョンによってオンライン配信中。


コメント

私は自身の作品を「政治的」であると考えたことがありません。というのも、撮影を始めた13歳のころの私にとって、それはただ自分が楽しむためのものだったからです。仲間はずれにされ、黙すことの多かった少年の頃の私にとって。そんな少年であった私は、何かに所属しているという実感を得たことがありませんでした。しかし皮肉にも、"PRIA"を作り上げてゆくなかで私はこれらの不安感にもっと近づきたい、もっと知りたい、理解したいと思うようになり、それにつれてこの感傷がいかに普遍的なものであるかについて気づくようになりました。


影響を受けた監督や作品

影響を受けた作品には、なにも考えず世界にどっぷり浸ることのできるものが多いです。例えば、クリストファー・ノーラン『インセプション』の夢を舞台にしたSFの世界、ダニエル・リベイロ『彼の見つめる先に』の甘美な世界、是枝裕和『歩いても 歩いても』での何ともいえない家族関係が描かれた世界といったものがあります。これらの映画は潜在意識に働きかけ、普段は感じることの出来ないものの一部を呼び起こしてくれます。



作品情報

実写部門

アメリカ/2016年/22min

Columbia University

スタッフ:<主演>CHICCO KURNIAWAN、JACOB MCCARTHY、GLADHYS E. SYAHUTARI、KARLINA INAWATI、OTIG PAKIS

<監督>YUDHO ADITYA<脚本>BARBARA CIGARROA、YUDHO ADITYA、DEA KULUMBEGASHVILI

<制作>VALERIE CASTILLO MARTINEZ

<共同制作>MEISKE TAURISIA、MUHAMMAD ZAIDY、JULIE O'LEARY

<ラインプロデューサー>SHIRLEY TAMARA

<撮影>EUN-AH LEE

<音楽>ZEKE KHASELI、YUDHI ARFANI

<プロダクションデザイナー>DITA GAMBIRO

<衣装デザイン>CIKA RIANDA

<アシスタントディレクター>TUMPAL TAMPUBOLON

<タレントコーディネーター>CRISTIAN IMANUELL