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パッケージゲームを死ぬまで遊ぶログ(略称:パケログ)

『ゲームボーイ クソゲー番付』に思うこと

2017.10.16 15:00

『ゲームボーイ クソゲー番付』についていろいろと書かれているのを見て、一度きちんと説明しておいた方がいいと思ったので、現在思いついた範囲のことを書いてみようかと思います。

このブログでは基本的には画像3枚と1200文字程度のテキストのゆるい内容を基本としているため、かなり異例な記事になっていますが、ひとまずお付き合いください。



『クソゲー番付』シリーズに関しては、そもそも、クソゲーと付いている時点で、ボク自身はあまり気に行っていないことは以前このブログで書いているので、そちらをご確認して頂ければと。


クソゲー人にはならないで!

https://sakekan.themedia.jp/posts/1976190


※記事をアップした後、ブログのシステムが変更になり、ワードの文章をコピペして貼りつけた内容の改行が反映されなくなったようで、改行のない読みにくい文章になっていますが、変更すると恣意的な修正をしたと思われる可能性があるので、そのまま掲載してあります。



先の記事に書いてある通り、『ファミコン クソゲー番付』の序文を見ると、ダメなゲームだけではなく、二人で一揆をする『いっき』のようなおバカな設定のゲームなど、かなり広義な意味での「クソゲー」を取り扱っていることになっています。

「クソゲーの魅力に気が付いていただけたら幸いである」と書いてあるのに、ゲームの紹介ではかなり悪意を持ったうえで「クソゲー」と紹介していて、狭義の意味での、本当にダメ過ぎるゲームを扱うように「クソゲー」と紹介していることに問題と感じました。


しかし、この本自体は人気があったようで、続編が出るという話だったので、上記の懸念点を改善して、「クソゲー」と厳しい言葉が使われていても、広義の意味での「クソゲー」の範囲でゲームを紹介できないかと考え、『スーパーファミコン クソゲー番付』では、「こんなキャラクターやタレントがゲーム化されているのか」と思っていただけるように、「タレントゲーム」と「キャラクターゲーム」を扱わせてもらっています。


ここでのボクの裏ミッションは『ジーコサッカー』と『ジョジョの奇妙な冒険』の地位向上だったのですが、残念ながら『ジーコサッカー』は総決算のページに持っていかれてしまったので、裏ミッションは失敗に終わっています。

それでも『ジョジョの奇妙な冒険』については、「そんなに悪いゲームではないよ」と伝えられたのではないかと思っています。


ボクが担当しているページでは、原稿内に「クソゲー」と表記しないように気を付けています。

それは広義の意味での「クソゲー」の範囲として取り扱っているモノの、狭義の意味での「クソゲー」としては取り扱っていないという意味があるからです。

テンプレとして「クソゲーポイント」という項目があるため、この部分だけはどうにもできなかったのですが、それ以外には「クソゲー」の表記はないはずです。


実際のところ、編集さんの方で原稿の内容を結構変えてしまったことがあり、最終稿でなぜか「クソゲー」と書かれている項目がだいぶあったり、どこかのネットで書かれているような、ボクが意図していないことが書かれていたりと、だいぶ問題があったため、時間がない中で全部修正指示を出したので、ある程度は元の原稿もしくは自分の言葉に変えることができたと思っています。

その後もこの編集さんとはいくつかの書籍で仕事をしていて、勝手に変な文章に変えないように考慮していただけるようにはなっています。



そして、『ゲームボーイ クソゲー番付』になるのですが、『スーパーファミコン クソゲー番付』の時とはちがい、ゲームボーイには「タレントゲーム」はほとんど存在せず、「キャラクターゲーム」に関してはボクが開発に関わっているタイトルが何かしらの候補に入ってくることが容易に想像できたため、「タレントゲーム」と「キャラクターゲーム」は扱えません。

また、編集さんからは「総決算」を扱ってほしいという依頼があったのですが、ボク自身は狭義の意味での「クソゲー」の原稿を一切書けないのでお断りした上で、「ボリューム微妙ゲーム」と「ブーム便乗ゲーム」というテーマを提案させていただきました。


ゲームボーイのボリューム感のないゲームは、実のところ、キャラクター表現に容量を食ってしまう「キャラクターゲーム」に多いのですが、原稿に着手する時点で「キャラクターゲーム」の番付が決まっていなかったので、タイトルが重複しないように「キャラクターゲーム」を回避しました。

「ブーム便乗ゲーム」に関しては、『ポケットモンスター』以降のバージョン違い系の育成収集RPGについても扱おうと思っていたのですが、「RPGダメゲー」の方でいくつか取り扱われることになったので、こちらでもバージョン違い系の育成収集RPGを扱うとテーマにぶれが生じると感じたので回避しています。


その結果、内容的にボリュームを感じにくいキャラクターゲーム以外のゲームを取り扱った「ボリューム微妙ゲーム」と他のゲーム機で流行ったゲームの関連タイトルを扱った「ブーム便乗ゲーム」という、シンプルなテーマになりました。



ネット上にある『ゲームボーイ クソゲー番付』の批判に関して、「ボリューム微妙ゲーム」については特に話題になっていなかったので、ここからは「ブーム便乗ゲーム」について触れていきます。


「ブーム便乗ゲーム」に関しては、他機種でヒットしたゲームの移植タイトルや、関連タイトルが発売された際の、どこかに無理があったと感じられたタイトルを扱っています。

なので、基本的にダメなゲームを紹介しているのではなく、あくまでも「ブーム便乗ゲーム」というテーマで扱っているので、ネットでの反応に違和感を持っています。


例えば、『ときめきメモリアルポケット』に関して、「容量の関係で2つに分かれたからクソ」と書かれていると怒っている人がいました。

しかし、本の内容を読めばわかるのですが、「2本に分かれているからバランスが崩れていること」を指摘しているにすぎません。

原作となるPCエンジン版や一般に知られるようになったPS版では、ヒロインの藤崎詩織を狙って全体のパラメータを上げていると、女の子がどんどん知り合いになってしまい、爆弾を回避するために終盤は毎週のように違う子とデートをするような地獄のバランスになっていました。

当然ながら、それに対する対策はあり、平日と休日で上げるパラメータを固定して、出会うイベントがなかなか発生しないような攻略をしていました。

それが、ゲームボーイでは2本に分かれたため、あまりキャラクターの発生を意識しなくてもクリアできるバランスになっています。

このバランスの変更が良いか悪いかは遊ぶ人の感覚によって違うため、遊びやすくなっているという視点ではいい変更に感じることもあるとは思いますが、「ブーム便乗ゲーム」というテーマでは、移植の際に変わってしまったことを指摘するのが本道なので、「バランスが崩壊した」という表現で説明しています。


『ビートマニアGB』について、「音源やグラフィックのデキかなり良くて十分面白いのに」と意見されている人がいました。

ボクの個人的な意見では、専用コントローラがあって成立するゲームの場合は、同名タイトルであっても同じ操作環境が用意できていなければ、その点については指摘するべきだと考えているため、取り扱っています。

『太鼓の達人』なんかでもPSPやPS Vita版は音ゲーとしての評価と『太鼓の達人』としての評価は変わってくると思います。

なので、『ビートマニア』をターンテーブルの操作が快適にできる『ビートマニア』として遊べるか、という意味で『ビートマニアGB』を紹介しているのが実際の内容になります。


『ストリートファイターALPHA』は発売時期に対して、『グランディア パラレルトリッパーズ』は原作タイトルとかなり違っていること、『ソロモン』は『ソロモンの鍵』をベースにしながらも世界観や新要素は『モンスターファーム』から取っていることを、それぞれ「ブーム便乗ゲーム」というテーマの中で指摘させていただいていますが、それぞれ面白いゲームという認識は持っています。



というわけで、本当はネットにある批判について一通り触れようと思ったのですが、twitterの検索性の問題やあんまり考えないで批判している内容もあるので、あえて触れずにここまでとしておきます。

他にもいろいろな批判が書かれていましたけど、「〇〇だからクソゲー」とは書いていなく、なぜ「ブーム便乗ゲーム」というテーマで書いているのに、狭義の意味での「クソゲー」と書かれたと怒っている人がいるのが理解できないんですよ。


『ゲームボーイ クソゲー番付』はゲーム初心者にも理解できるように書かれた平易な文章の「クソゲー」とタイトルについた本なので、「本のテーマが気に入らない」とか「本の内容がつまらない」なら理解できるのですが、「僕の好きなゲームボーイだから許せない」とか「僕の好きな〇〇が入っているから許せない」も本当に理解できません。

この場合は、「僕の好きなゲーム機じゃなければ許す」とか「僕の好きじゃない〇〇だけで構成されていたら許す」とも聞こえますので。



それと、「スペックの劣るゲーム機向けに開発した作り手の努力を~」みたいな指摘もありましたけど、ゲームに対する評価は人それぞれなので、全員がそのことを絶賛するのは気持ち悪いんですよ。

限界があるから挑戦することは美しいことかもしれませんけど、挑戦した結果如何にかかわらず、発売された商品そのものが評価されるわけですから、裏側を勝手に想像して評価するのは、それこそこじつけになってしまうのではないでしょうか。

開発者がどんな熱量で作ったかをインタビューなどで知ったとしても、その内容をすべて忖度してゲームの評価とする必要はありません。

それだとインタビューを受けない、注目度の低いタイトルは、どんなに高い熱量で苦労して作っていても評価されないことになり、かなりアンフェアなことになります。

どんなゲームであっても、遊んだ人の数だけ評価の仕方があるし、テーマによって書き方も変わるので、「このゲームにはこの評価」みたいなテンプレがある方がおかしいと思います。




で、ここからは『ゲームボーイ クソゲー番付』について個人的に気になった項目について触れていきます。


上の方にも書いてありますけど、『ゲームボーイ クソゲー番付』には、ボクが開発に関わっているタイトルが2つ掲載されています。

実際にはパブリッシャー側の担当なので、開発にどの程度関わっているかはタイトルによって異なるのですが、いずれにしても担当したタイトルについて「クソゲー」として扱われることにどう思うかといえば、「内容次第」という結論にしかなりません。

遊んでいただいたタイトルについてどのように評価をするかは遊んだ人に依存し、それこそ遊んだ人の数だけ感想が出てくるモノだと思っているので、新しい解釈を読めるという意味では大変喜ばしいことだと思っています。


番付が正式に決まる前に、書籍に掲載するパッケージや取扱説明書の撮影があったので、その時にどんなタイトルが入るか知ることができたのですが、その時点では新しい解釈が読めることを楽しみにしていたんですよ。

編集さんに対して「ボクの関わっているタイトルが2つ入っているので、どんな原稿になるか楽しみにしています」と話していたくらいですし。


しかし、実際に掲載された内容を確認してみたところ、気になることがあったんですよね。



「バカキャラゲー番付」の東小結に入っている『ドラえもんカート』は、ボクが初めて担当したタイトルです。

実際には、先輩と一緒に担当し、サブ的な役回りだったので、ゲーム内容についてはあまり関与していないのですが、取扱説明書やパッケージはボクが担当しています。

このころはデータのやり取りはフロッピーディスクで行っていました。

まだフラッシュロムがなかったので、ゲジゲジに焼いていた時代ですよね。


『ポケットモンスター』が流行ってゲームボーイの市場が復活したころ、一度はゲームボーイから離れていたメーカーが再度ゲームボーイのソフトを出し始めた流れの中で、『ドラえもん』のRPGを作れないかという話が上司からあり、ひみつ道具を収集してバトルをするRPGの企画書を作ったのですが、ドラえもんルームから許諾が下りなかったためボツになりました。

そのころ、エム・ティー・オーさんの提案で、夏システムさんが過去に開発した『F-1ヒーローGB』のエンジンを使って3ヵ月でカートゲームが作れるという話から急遽開発が決まったのが『ドラえもんカート』でした。


3ヵ月で完成すれば1997年の12月には発売できるはずだったのですが、実際には開発に6ヵ月くらいかかり、3月の発売になっています。

同時期に『頭文字D外伝』が作られていたなんてことは全然気にしていませんよ?


当時からゲーム内容についてはいろいろな思いがあったため、メインで担当した『ドラえもんカート2』ではそのリベンジをするつもりでしたけど、その結果については実際にプレイした方はご存知だと思うので触れません。

個人的に問題に思っているのは『ゲームボーイ クソゲー番付』に掲載されている『ドラえもんカート』の内容になります。

指摘されている内容がこのサイトに似ているんですよ。


https://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/5605.html


遊んでみるとちらつきとか気になるポイントは概ね同じになるかもしれませんけど、なんかね。

画面写真も、せっかくのレースゲームなのだから、ポーズを掛けたシーンではなく、実際にレースで走っているシーンを掲載してほしかったな。



「バカキャラゲー番付」の西大関に入っている『ドラえもんメモリーズ のび太の想い出大冒険』もボクが担当しているタイトルで、シナリオやクイズ、メモリアルショットの説明文などテキスト全般も担当しています。

メモリアルショットの構図についても単行本を基に構成しています。

パッケージはてんとう虫コミックスのイメージになるようにして、「GAMEBOY COLOR」の白い帯を消し飛ばすようなこともやっていて、かなり好き勝手にやらせてもらっています。


『ドラえもんカート2』以降、携帯ゲーム機向けのゲームは1人で担当しているため、このタイトルの責任者という位置づけにもなるかと思います。

あの頃はパブリッシャーの担当者だけど、自由にお金を使える立場にはなかったため、同時に担当していたN64『ガントレットレジェンド』の翻訳テキストの作成なんかも同時にやっていました。


『ドラえもん』といえば、漫画、テレビアニメ、映画などたくさんのコンテンツがありますが、『ドラえもん』のゲームは基本的にはTVアニメの権利を使って作成しています。

最近のフリューさんのタイトルは映画版権なので、現在では『ドラえもん』のアニメの版権で作られているコンシューマゲームは存在しないことになるのではないかと思います。


今作もアニメを原作とするのですが、ドラえもんの漫画の30周年記念に絡んだタイトルだったため、ゲーム内で収集するメモリアルショットに関しては漫画の内容を使うことを小プロさんに許可して頂いていて、ストーリーも原作漫画を意識させるような内容にしてあります。


『ドラえもんカート』の頃とは違い、自分の裁量でいろいろな仕組みを入れているため、思い入れの強いタイトルになっています。

最初はタイトルを『ドラえもんメモリアル』にしようとしたのですが、法務がほかの「メモリアル」が付くゲームのことを気にしていたため、『ドラえもんメモリーズ』にしました。

略称を「ドラメモ」にしたかったんです。


今作については特に当時から最近までネットにあるレビューをそれなりにチェックしているのですが、『ゲームボーイ クソゲー番付』に掲載されている『ドラえもんメモリーズ のび太の想い出大冒険』の内容がこのサイトに似ているのがかなり気になっています。


https://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2960.html


ちなみにリンク先の情報では開発元のところに酒田エス・エー・エスさんとスタジオクリシェさんの表記があり、スタジオクリシェさんのところに(BGM)と書かれていますけど、実質的にはほぼスタジオクリシェさんが開発をしていて、ゲームボーイカラーの赤外線通信まわりを酒田エス・エー・エスさんがやっています。

なので、仕様関係の打ち合わせなんかは、基本的にはスタジオクリシェさんとだけ行っていました。



上記に挙げた2つの事例は、ボクが担当したタイトルゆえにネット上のいろいろなレビューを見たうえで上記のサイトに似ていると思っただけなので、皆さんがどう思うかは読んで確認してみてください。

どのライターさんが書いたのかは知りませんけど、少なくともボクじゃないことだけは確かです。

正直、新しい見解を見てみたかったので、かなり残念な気持ちになったことだけは正確にお伝えしておきます。


最近はゲーム関連の書籍に掲載された内容がウィキペディアに掲載されるなど、書籍を基にする情報がネットに反映される事案が散見しているため、書籍のクオリティーは絶対に上げるべきだと思っています。

ウェブの場合はゲーム系のニュースサイトなど参考にする媒体にある程度のバリューがないと参考にされない印象ですが、書籍の場合は出版されただけで信憑性のある内容だと判断されてしまうことが多いのは、大変懸念すべき問題だと認識しています。


しかし、不買運動を盛り上げようとしても、販売元に十分な利益が出るだけ売れば次が出てくるので意味はありません。

ゲームを扱っているからと言って、すべてがゲームマニア向けの書籍とは限りませんので、ターゲットには該当しなくて歯がゆい思いをすることも多いかと思います。

それでも、立ち止まって文句を言っているよりは自分から行動することの方が、明るい未来が訪れると信じています。


とにかくいろいろなスタイルのゲーム関連書籍が登場することで、市場が盛り上がり、その中でダメな書籍が淘汰されるといいんですけどね。


今後もゲーム関係の書籍がそれなりに発売されるため、厳しい内容チェックは必要だと思いますが、その内容がどういう意図で書かれているか、どのようにして書かれているかをきちんと考察した上で批判することをお願い致します。