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BEER PADDY FUKUOKA

☆新しいグラスが仲間入りしたのでちょっとグラスの話を。

2017.10.19 08:30

新しいグラスを仕入れました。

日々お店で使用するので当然消耗していきます。なので定期的に買い足してます。

最初は現在使用している260mlの脚付グラスと同じものを購入しようとしましたが何と終売(よくある話です)...。というわけで、せっかくなので容量は同じで違う形状のグラスを探すことにしました。

そして今回購入したのは写真のグラス。ご覧の通り何の変哲もないタンブラーです。

今や多種多様のグラスが出回っておりますし、クラフトビールに特化したものも増えましたが、SNS等でチェックすると世界中のブルワリーやパブが意外にも原点回帰なのかタンブラー型のグラスを使っているのもよく見かけます。

何と言ってもなんかこの「コップ」って感じが好きなんですよね。

同じ260mlながらズッシリと重みもあり何となくお得感もあるこのグラス、今後ともかわいがってくださいませ。


なぜかここ最近当店ではグラスにまつわる話を聞く機会が多いのでせっかくなのでグラスの話をもう少しだけしたいと思います。


個人の方もお店の方もそれぞれがそれぞれの価値観でグラスをチョイスしている事だと思います。僕も11年お店をやっている中でビールはもちろん他のお酒のグラスも色々と試してきましたが、その中でもビールのグラスに関しては本当に色々使ってきたと思います。

ある程度のビアスタイルやそのビールの歴史に沿った形状を選ぶのはもちろんながら、口部の厚み、最初の飲み口から飲み終わりの印象、泥酔したときの持ちやすさ(笑)などなど色々なシチュエーションを試しました。

2014年には横浜で開催されたシュピゲラウのグラスセミナーにも参加して(九州から来たのは僕一人だけでした)凄く勉強になりましたし、世界中で今どんなグラスがトレンドなのかもいまだにチェックしています。今度トランスポーターさんがtechと共に正規輸入するrastalのcraft master oneも去年ヨーロッパの各所で触れて以来ずっと欲しかったので本当にありがたいです。


そんな感じで色々とこだわりはあるのですが、結論としてはグラスは「楽しく美味しく飲めるなら何でも良い」と思っています。


それを裏付けてくれたのは前途のグラスセミナーの後日、東京で開催されたミッケラーのミッケル・ボルグ氏とブリュードッグのヘッドブルワーであるスチュワート・ボウマン氏のセミナーで会場からの質問に対する二人からの回答でした。

質問タイムで会場から「普段はどんなグラスでビールを飲んでいますか?またグラスや温度に関するこだわり等は?」。確かこんな感じの質問だったと思います。

僕もグラスセミナーの後でタイムリーだったのでどんな答えが返ってくるのか興味津々でした。

二人の答えは明快でした。

「最初はもちろん他が使っていないような色々な形状のものを試したし、クラフトビール専用のグラスの事も重々承知しているが、あんまり宗教じみたようにこだわりすぎなくても良いのでは?。今では普通にパイントグラス(タンブラー)で飲むのが心地良いし、人それぞれの楽しみ方で良いと思う」

こんな感じだったと思います。

そう、そういう事なんです。


もちろんそれ用に開発されたものなので最大限に魅力を引き出してくれる事はわかっていますし素晴らしいと思います。ですが、オーディオに例えると、どんなにお金をかけたアンプやスピーカーを使用して良い音で聞けたとしても僕はかかっている音楽がダサかったら嫌ですね(笑)。中身の方が重要だと思っています。

まあ、毎日テイスティングやジャッジしかしないという'プロ'の方なら話は別ですが、'このグラスを使っているから最高'ではなく'その最高のグラスで何を飲む?'という事や、例えば「やっぱパブで飲むパイントのビターって最高だよね」みたいな理屈だけじゃ無いもっと'感覚的'な飲み方をお客様に伝えるのも立派な'プロ'の仕事だと思います。そうしないと多種多様な飲み手が増えないような気がします。


というわけでなんだかんだ長くなってしまいましたが(笑)、皆様これからもご自身の'心地良いグラス'で'楽しいビール'を味わってくださいませ。