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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

神聖ローマ8-初代皇帝オットーの逆転勝利

2017.10.20 12:21

神聖ローマの祖となった偉大なるオットー大帝だが、その前半生たるや苦難の逆転人生である。すでに結婚して子が居り国を近親者で固めた。が、950年イタリアの前王妃アーデルハイトが助けを求めてきたとき、息子ロイドルフが「オレの力を見せてやる!」と勝手にイタリアへ侵攻した。

オットーは追いかけて遠征を成功させたが、息子はお叱りを受けた。あまつさえ、前妃を亡くしてヤモメだったオットーは、アーデルハイトに惚れてしまい、翌51年両人は再婚。さらに52年に子供が生まれると父は腹違いの次男ばかりかわいがる。さすがに面白くない長男は娘婿コンラートと53年反乱に及んだ。

この反乱は、オットーの近親重視を嫌う諸侯が参加、そしてマジャールも侵入し、大大大ピンチとなった。ここで今や頼れる片腕となっていた弟ハインリヒが一計。「反乱軍がマジャールと連合した」とアピールすると、諸侯は離れ、長男と娘婿は捕えられて、蟄居幽閉の身となった。

955年、反乱軍はかたづけたがマジャールが残っている。オットーはレヒフェルトで迎え打つがオットー8千人VSマジャール1万7千人。このピンチに蟄居中の娘婿が馳せ参じ、命をかけて勝利に導いた。まさに危機一髪逆転人生のオットーだが、この勝利で政権は安定し、その名声は欧州に轟いた。

下はレヒフェルトの戦いのオットー大帝