お手本のノート。
私の計算方法やテクニックを素直に
全注入した子のノートの美しさは、
もはや全生徒のお手本にできるほどで、
やはりそれに伴って計算ミスも激減しています。
計算は、量もさながら、生徒の特性に応じた
工夫もしっかりと守らせる習慣を作っていく意味で
”やり方”自体も重視されなければなりません。
「ほら、その計算。いつも書くメモがない。
メモがないところだけミスってるよ。
君は途中でフッと忘れてしまうという
自分の癖を知っているだろう?
だから、”絶対にミスらないための癖”を作って
ちゃんと自分のものにしていく意識を持とう。
でも、書いておけば忘れることはない。
自分を知って、自分を乗り越えろ。」
入塾当初はイコールの位置ですらぐちゃぐちゃで、
重要な計算もチャチャッと端っこで済ませてしまう
すごいノートだったのですが、1カ月足らずで
中学生の模範とも言えるノートへと進化しました。
意外とこういう小さなことなのですが、
放っておくとすぐに自己流に戻る子も多く、
習慣化というのは時間がかかるものです。
だから、何もこだわりのない、まっさらで素直な
生徒ほど吸収力が高く、成長も早いのです。
さて、そんな子の計算ノートも4週間でついに2冊目を
終える運びになりました。土曜日には終えるでしょう。
その子のノートを今日の授業後に全体で共有しました。
いかにその計算プロセスが整っているか、
いかに途中プロセスが見やすく、ミスがどこで
起こったのかを検証しやすいのか。
ノートは、後半に行くほどミスは0になってゆき、
丸が連打されている小気味のいいノートに
なっていたのでした。そして、周囲の子もいかに
この子が地道な努力を続けてきたか、いかに
変化したのか、ということを知ったのでした。
その子は中学生中最も計算が不器用でしたが、
今日ばかりはお手本、最も優れた計算をできる
人として紹介されて、やはり積み上げてきたものを
噛み締めているようにも思えました。
今でも、”同符号は援軍、異符号は戦争”なんて
唱えながら、和差における符号ミスを徹底的に減らそうとする
努力をしているようです。本当素直です・・・。
今回この”お手本ノート”を全体共有したのには
もう一つ重要な狙いがありまして、いろいろな化学変化が
起きていくことに期待をしています。