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西宮・尼崎の防災教育を考える会

第10回 自主勉強会(特別講演)

2022.01.16 10:44

 コロナ禍で対面式の勉強会を実施するのが難しい状況を打開しようと、昨年度からMicrosoft Teamsを使ってオンラインで開催しています。オンライン勉強会の強みを生かして、今回も西宮市や尼崎市だけでなく他県(北は山形県、南は鹿児島県)からもたくさんの方々にご参加いただきました。ありがとうございました。

内容報告

日時:2022年1月8日(土)10時~11時半

場所:オンライン(Microsoft Teamsを使って)

演題:はじめの1歩は何から始める?

0からでも始める防災学習

参加:79名


 節目である10回目の勉強会は、兵庫県立大学特任教授で防災教育学会の会長も務めている諏訪清二先生に講演をしていただきました。 諏訪先生は、全国の高校で唯一の防災科として注目を集めた兵庫県立舞子高校環境防災科の開設に科長として関わり、カリキュラム作成からその実践まで、演題と同じように0から始めた経験をおもちです。

講演では、学校現場で防災教育にとりくめない・とりくまない理由を整理し、その解決策を諏訪先生ご自身の実践をもとに説明していただきました。


 一つ目の「自分は災害にあわない」という課題に対しては、被災した際の対応だけでなく、被災地支援や日常的な社会参画の在り方について学ぶことも防災教育になるという指摘がありました。サポーターという視点で考えれば、どの校区・地域でも防災教育を行う方法も意義もあるということでした。


 二つ目の「時間がとれない」という課題に対しては、学習指導要領に、「防災」「災害」「安全」などの記述があり、教科指導の中で、防災教育を行うことは可能だという指摘がありました。ただし、防災教育はパッチワーク的に学習指導要領に組み込まれており、体系的な学びになるように工夫する必要性があるとのことでした。



 三つ目の「何をどう教えて良いかわからない」という課題に対しては、実戦の蓄積が文科省や都道府県の教育委員会で成されており、ぜひそのノウハウを学んでほしいとのことでした。講演の中では、2004年から始まっている防災教育チャレンジプラン、2005年から始まっている1.17防災未来賞ぼうさい甲子園の紹介がありました。


 四つ目の「進路保障につながらない」という課題に対しては、防災教育で育まれる力は、学習指導要領で育成が意図されている観点(①知識・技能、②思考力・判断力・表現力、③学びに向かう力)と合致しているという指摘がありました。防災教育は、学習者の進路保障はもとより、生きる力そのものを育んでいるということでした。


 講演後には、30分程質疑の時間を設けました。教職員、防災コーディネーター、防災士といった多様な立場から、防災教育を推進していく中で直面している課題が挙げられ、その解決に向けたご助言を諏訪先生からいただきました。また、多くの皆様にご参加いただいたおかげで、充実した学びの時間となりました。ありがとうございました。


参加者の感想(一部)

・幼小中の教師の方々の集まりでワークショップを行う機会があり、「実践的な防災訓練には」、「コロナ禍で良かったこと」など議論してもらいました。雨の中での避難訓練、子どもに風邪をひかせるわけにはいかない、ではまず先生だけでどう雨の中で避難するかやってみようと、先生方からの課題だし、対応策、気づきへとつながり、本日の諏訪先生の質疑の通りだと体感しています。また、防災士や社会人の方々はその領域の専門家ではあっても、子どもたちに伝わる教え方のプロでは無いことから、本日の講演で話が合ったとおり、相互のタイアップ・協力しての対応が大切だと感じています。


・本日はありがとうございました。諏訪先生のお話大変興味深く聞かせていただきました。質問にまで答えていただき、学びの大きな2時間でした。芦屋市の山手小学校では、1.17では命の尊さを学ぶ命の学習を、3.11では大切な命を守るための防災教育を行なっています。また、西宮尼崎の取り組みなど教えていただきたいです。どうぞよろしくお願い致します。


・いつ聞いても学力の樹のはなしは参考になります。避難訓練中心や行事中心の防災教育(それはそれで良いのだが)から、教科等横断的な防災教育ができるように防災教育を推進していきたいです。負担感も少なく、持続可能な防災教育になると思います。また、この取組を進めることで〇〇教育と名前のつく教育活動も同様に展開することができるようになると思います。


・学校関係者以外の第三者が学校の授業で児童や生徒に防災が日常のなかでの延長線上にあることの気づきができる楽しい45分の時間が作れるよう頑張りたいと思います。また、学校の先生にも防災教育が日々の生活、授業に絡めることが出来、自然に学習ができるようなことが伝えられる話ができることを目標としています。


・興味深くお話を聞かせていただきました。構えて取り組むのではなく、日々の生活の中に防災の視点を意識するのが大切だということがよく分かりました。私は教師ですが、上靴をきちんと履いておくこともいざという時の咄嗟の行動に繋がるなぁと思いよく声かけをしています。大したことではないですが、こんなのも防災教育と言っていいんだなぁと感じました。


・諏訪先生のお話がとてもわかりやすく、防災教育へのハードルがさがると思いました。少し工夫して授業をすることで防災教育ができることを教えていただきました。近く1.17集会があるので、意識して伝えたいなと思います。


・特別に行うのではなく、各教科の中で、防災教育が組み込めないかを考えればよいと分かりました。自分でも実践できそうだと思いました。また、日々の学校生活にもつながる取り組みになるようにしたいです。


・いつも勉強になっています。ありがとうございます。質問も思いつかないのでヒッソリと見ていますが、リラックスして勉強できるのでオンラインはありがたいです。一度、小学校での授業も拝見させて頂きました。とても面白い授業をされていて、掲示物もすごくて、興奮しました。また参加させてください。


・諏訪先生から教えていただいた,文科省が示す3つの資質能力と結びついており防災教育が教育そのものであるとのお話が大変心に残り,今後防災教育を実践していく上で,意識していきたいと思いました。また防災教育は特別なものではなく,すべての教科(幼稚園では遊び)とつながれるものであることを再認識し,現場で取り入れていきたいと強く感じました。


・初めて参加しました。公務員として働く傍ら、地域の消防団員として活動しています。昨年は防災士も取得し、公務員コミュニティで防災についても学んでいます。防災教育は活動のなかで関わることが少ないですし、教員の皆さんとも接点が少なく、こういった活動をされているのも知らなかったので、いい気づきになりました。われわれ行政職員が抱える防災の課題と共通する部分も多かったので、引き続き関わっていければと思いますのでよろしくお願いします。


・参加させていただき、ありがとうございました。次代を担う子供たちへの防災教育は必要なことですが、思うようにいかないのも事実です。映像を見せれば、子供たちの心に負担を与えてはいけないと言われる。体験者の話をすれば、直接的ではなく…、穏やかな言い方で…と言われる。多様化の時代ですから仕方ありませんね。その時の担当教師の考えもありますからね。子供たちの命を自分で守らせることができるヒントを求めて参加させていただきました。熱心に取り組む先生方がいらっしゃることを知ってうれしかったです。


・諏訪先生のお話、大変興味深く聞かせて頂きました。前任の幼稚園で研究会時に大変お世話になりましたが、先生の幅広い知識、実践に改めて驚き、少しでも現任園で生かせるようにと考えます。震災体験者として、何かしなくてはという思いを持ちつつも、就学前施設で何ができるか、私自身は養護員なのでさらに何ができるのか、どんなふうに先生達に伝えることができるのか、課題は山積みです。ただ、芦屋にはたくさんいい教材がある、と諏訪先生に教えて頂いたこと、芦屋の小学校でも頑張ってくださってる先生がいることを改めてオンラインで知れたことは励みになります。そして山の頂上にはなれなくても、一合目、二合目でもいい、とのお言葉に甘えて、これからも参加させて頂きます。


今後の勉強会のお知らせ

○第11回 西宮・尼崎の防災教育を考える会

日時:令和4年2月26日(土)10時~11時半

場所:オンライン開催

内容:無料で使えるICTツールで楽しい学習(仮題)

 感染再拡大を受けての緊急企画!対面でもオンラインでも使える無料のICTツールをご紹介!歩み・学びを止めないために奮闘されているあなたへ届け!

今後もどうぞよろしくお願いします。