ラング石 Langite
ラング石 Langite Lgt
Cu4(SO4)(OH)6·2H2O;単斜晶系
模式地:英国,イングランド,コーンウォール
模式標本:オーストリア・ウィーン自然史博物館 (A.a.4353)
鉱物名:オーストリア・ウイーン大学教授であった物理学者・結晶学者のヴィクトル・フォン・ラング博士 (Victor von Lang;1838-1921) にちなむ.
原記載:M. ピサーニ
- Pisani, M. (1864) Analysis of Langite, a new mineral from Cornwall. The London, Edinburgh, and Dublin Philosophical Magazine and Journal of Science, 28(190), 403-404. https://doi.org/10.1080/14786446408643787 (IMA第一文献)
滋賀県東近江市 御池鉱山 (Oike mine, Higashiomi, Shiga Prefecture).FOV ~5.2 mm.
ズリ石の表面に生成したもの.微細な板状結晶の集合体をなす.
兵庫県朝来市 新井鉱山 (Nii mine, Asago, Hyogo Prefecture).FOV ~2.5 mm.
石英の割れ目に天青色の板状結晶をなす.この標本は採集されてから十数年が経過しており,一部が緑色に変化したが,脱水してブロシャン銅鉱に変化したのかもしれない.淡青色の繊維状集合はサーピエリ石。
本産地では多形のローウォルフ石を伴うことがある.
兵庫県川辺郡猪名川町 柿ノ木鉱山 (Kakinoki mine, Inagawa, Hyogo Prefecture).FOV ~2.2 mm.
兵庫県川辺郡猪名川町 辻ヶ瀬鉱山 (Tsujigase mine, Inagawa, Hyogo Prefecture).FOV ~2.7 mm.
青鉛鉱で有名な辻ケ瀬鉱山ではあるが,希にラング石も産出する.赤黒色部は赤銅鉱である.
岡山県備前市 鉱盛鉱山 (Komori mine, Bizen, Okayama Prefecture).FOV ~2.4 mm.
肉眼ではわからないが,本標本は粉末X線回折によってブロシャン銅鉱を伴うことが確認された.
文献
- Gentsch, M. & Weber, K. (1984) Structure of langite, Cu4[(OH)6|SO4].2H2O. Acta Crystallographica, C40, 1309-1311. https://doi.org/10.1107/S0108270184007769 (IMA第二文献)