使徒言行録 12:6~17
「今、初めて本当のことが分かった。(12:11)・・・そして、そこを出てほ
かの所へ行った。」(12:17)
このころ
エルサレム教会は、割礼を重視する人たちの力が少しずつ強くなってきていました。教会のリーダーが、イエス様が指名されたペトロから、イエス様の肉による弟であるヤコブに交代したということが、そのことを表しています。このころのエルサレム教会は、
血縁を重視するユダヤ教の考え方に戻りつつあったのです。
その中にあって、ペトロはついに、
エルサレム教会を離れる決心をしました。彼は天使に導かれて牢屋を出てきたとき、「今、確かに分かった」と言いました。イエス様から与えられた新たな召命が、「今、確かに分かった」のです。
このあとペトロはもうヤコブたちのところへは戻りませんでした。そして、「そこを出てほかの所へ」行きました。
どこへ行ったのかは分かりません。しかし、おそらく彼は、各地に散っていったユダヤ人たちのところにいき、弱い人や虐げられている人たちと共に生きたのではないかと思いま
す。それは、イエス様が人として生きておられたとき、この世でなさっていたことそのものです。それこそが、ペトロの知っているイエス様の姿でした。
ぺトロは、「人間イエス」の生き方を証しすることで、イエス様を宣べ伝えたのです。ペトロの証しは、パウロのように文書では残っていませ
ん。しかし私たちの「教会の姿」として今も受け継がれています。
◎私たちの「教会の姿」は、イエス様の御跡(みあと)を踏んでいくことなのですね。そこからそれませんように。そしていつも、身近にいる弱い人や虐げられている人たちに、目を向けていきたいと思います。(あい)