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バカにされながら、走った。

2017.10.20 19:12

いくら走っても、走っても、走っても、走っても。足は、速くならなかった。


バカにされた。足の遅い僕はうんと、バカにされた。先輩にも後輩にも同学年にも。チームにとってのお荷物以下だった。いてもいなくても同じ。補欠の補欠。いつまでたってもおんなじ。試合に出られない。いくら、走っても。


12年間続けたサッカーは"努力の虚しさ"を教えてくれた。とはいえこれはネガティヴな意味だけではない。

なぜなら弱さを受け入れる"強さ"を、その12年間によって得ることができたからだ。


足の遅い自分が、

泣きたくなるほど下手クソな自分が、

いくら努力したって周りに認められない自分が、悔しかった。情けなかった。でもどうしようもなかった。サッカーが上手い後輩に、追いつきたくてファウルする。舌打ちされて睨まれるのはいつだって足の遅い僕だった。


でもこうして笑っている。それは多分、高校サッカーの引退試合まで、最後までやり遂げたからだ。


そして今、好きなことをしている。すると周囲からも慕われるようになった。(多分)

ありがたいことだ。


完璧な人間なんていない。

イケメンで頭が良くて背が高くて性格が良くて運動神経のいい奴なんて、どうせ足が臭いに決まっている。それかきっと将来ハゲる。いや、ハゲろ。


だから自分が何かできなくたって、努力が報われなくたって、それを少しずつでいいから受け入れていければ、もう少し強く優しくなれるんだと思う。

「無駄な努力なんてない」

月並みなこの言葉はきっとそういうことを言いたいのだろう。



走り続けて得られるのは、きっと足の速さじゃない。

「走り続けられた」という自信と、誰かの走る苦しさに共感できる、思いやりの心だ。