忘れるシステムのおさらい〜忘れることは素敵なこと〜
人は忘れる生き物です。
もしも人間が忘れない生き物だとしたらどうでしょう。
生きるのは楽になったのでしょうか。
幾つかの論文では、人が忘れなくなった場合、
脳の情報処理が追いつかなくなり、他の部位に支障が出るといいます。
忘れることは大切なことなのです。
では、脳はどうやって忘れる情報を選ぶのでしょうか。
その答えも先人たちが見つけてくれています。
脳は、「自分にとって関係のないもの」から忘れるのです。
逆に、好きなものや嫌いなものは残しておきます。
関心があるものをしっかり保存しておいてくれるのです。
私も先日車をminiからハスラーに換えましたが、
それからというもの道でハスラーを見ると思わず目で追ってしまいます。
それまでは全然目が行かなかったのに、
ハスラーを買おうと決めた瞬間からそんな現象が起こり始めました。
こんなことって皆さんよくあるのではないでしょうか。
脳は意識したものをちゃんと残しておいて、
それに似たものや、つながるものにはしっかり反応してくれます。
これはちゃんと忘れているからこそできることで、
忘れていなければ全部に反応してしまって、感度が下がってしまいます。
意識されたものは、情報を自然に取り入れますからどんどん知識が増えていきます。
子どもたちにとってのポケモン然り、
大人にとっての個々人の趣味然り、
好きなものや興味があるものって自然と覚えていきますよね。
それには脳のそんな仕組みが関係しているのでした。
では、そんな「忘れる」仕組みを、
勉強に活かしてみましょう。
好き!や嫌い!といった感情とセットになるものは自然と覚えやすいとお伝えしましたが、
勉強においてはなかなか感情と結びつけるのは難しいですよね。
ですから、もう一つの脳の仕組みを使いましょう。
関心があるもの以外でも、脳が「これは捨てちゃいけないな」と認識するものがいくつかあります。
その一つが、「繰り返し入ってくるもの」。
例えば「あなたとコンビに?」と訊かれたら「ファミリーマート」と答えられるのも、
この「繰り返し入ってくるもの」認識で、脳がその情報を捨てずに大切に扱っているからです。
ですから、例を出すとすれば1時間で何かを6ページ覚えるという時、
1ページずつを10分じっくり見て覚えるよりも、
6分で6ページを見るというのを10回繰り返すほうが脳的には覚えやすいわけです。
他にも、リズムやイメージを使って「これは捨てちゃいけないな」情報にするという方法もオススメです。
詳しくはこちらで紹介しております。
忘れるということは能力である。
そのメカニズムを把握した上で、勉強に役立てましょう。
「これはとっても大切な情報だよ」というメッセージを、
感情やテクニックを使ってしっかり脳に伝えてあげましょうね。
「何もかも全然覚えられないよ」というあなた。
脳がいっぱい忘れてくれているんですね。
それはもしかしたらあなたの脳がとっても優秀な証拠なのかも。
うん、もしかしたらね。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
忘れるということは素敵な人生を送るために大切なことかもしれません。