ウクライナ軍 インターセプターボディアーマーなお話
今回はウクライナ軍とアメリカ製のインターセプターボディアーマー(以下IBA)のお話です。
アメリカが非殺傷兵器をウクライナへ軍事援助している事は周知の事実ですね。
陰謀論が今回の例でも渦巻いてますが、この軍事援助は正式発表されているもので、渡しているアメリカも、受け取っているウクライナも別に隠してはいません。
さて、非殺傷兵器の中にはハンヴィーや軍用トラック、対砲兵レーダー意外にもヘルメットやボディアーマー類も含まれています。
そのアーマーがIBA…ということですね。
アメリカによって援助されたボディアーマーは2000着と言われています。
同軍の規模からすれば大した量ではないですが、国産アーマーの増産体制に入っているので、今後もそう大量に追加供給される事はないかもしれません。
供給されたモデルはレバノン軍やアフガニスタン国軍などにも供給されている後期型裁断のウッドランド迷彩のモデルになります。
2000年代後半から、アメリカが友好国向けに販売、供給したアーマーはほとんど後期型になってますね。
2000着と数が少ないので、主に内務省の国家親衛隊向けに納入されています。
国防省の義勇兵大隊(現機械化歩兵大隊)にも納入はされたようですが、もっとも目立つのは国家親衛隊です。
供給されたのが2014年の夏になりますが、多数見かけるようになったのはもう少し後の2014年末~2015年にかけて主に米軍とウクライナ軍、内務省の合同演習の際です。
グルジア義勇兵が着用している例とかもありますが、個人的に見てきた中では最前線ではあまり見かけない気も。
着装としてはMolleを利用した使い方よりもウクライナ製ベストやチェストリグ、ハーネスなどを上から重ね着であるとか、主に供給されている部隊が新設された準軍事組織な国家親衛隊である関係からかレトロなAKポーチであったりとか新式装備やプレートキャリアーなどを多用する正規軍に比べると芋っぽい感じがあります。
上の写真だとARMPOLIS社製ハーネスだったりとかローカルメイドなウクライナ製装具を重ね着していますね。
またウクライナ軍ではアーマーにパッチは取り付けません。(私物パッチはなくもない)
後期型IBAにはネームテープと階級章を取り付けれるベルクロが追加されている点も特徴の1つですが、ウクライナの階級章は現在でもベルクロではなくループに通すタイプになっています。
ですので、つけない…というよりつけようがないですね。
コルセアM3やM3Cにはそもそも階級章用ベルクロがないので、今後もIBA用に作られることはないでしょう。
これはアフガニスタン国軍やモルドヴァ軍でも階級章の違いによって貼り付けない点と同じですね。
グルジアとアメリカくらいな気もします。
ウクライナATOが受領したアーマーの中には上記したIBA意外にも前期型IBAなども少数の例ながらあります。
ただ、これはアメリカが正式援助したものではなく、欧州からサープラス品をかき集める過程で、ある程度世界のサープラス市場に在庫があるIBAも一緒に買った…というのが真実ではないでしょうか。
ゆえにあまーり見かけません。
さて今回はウクライナ製ではない、ウクライナ軍でのアーマーをご紹介しました。
他にはポーランド製Kmw01や、イギリス製Mk4、ドイツ製STアーマーなど複数のメディア露出の多い海外製アーマーもあります。
機会があれば、あるいは現品を入手できたら、実際の使用例などをも合わせて今後も記事に起こしていこうと思います。