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WUNDERKAMMER

金子くん

2017.10.22 07:20

さっき幼馴染と久しぶりに会って、思い出した話をひとつ。

僕の地元は田舎なんで、遊ぶっていうと外なわけです。

夏休みとかは、毎日のように川行って泳いでました。

まあ消防ですから、ただ泳ぐのもツマラン!ってことで色々やります。

その中で開発した遊びで、『金子(キンシ)くん』というのがありました。


どんな遊びかというと、流木にしがみついて上流から流される、という他愛ないもんです。

『金子くん』というのは、その流木の名前なんです。

何故『金子くん』かは最早憶えてませんが、みんなそう呼んでたし、字もコレと決まってました。

なんで流木に名前付けるんじゃ、と思うでしょう。理由があります。

・微妙にヒト型。

・頭部分に「∵」的なお顔付。

・戻ってくる。


ええ、戻ってくるんです。

一通り彼と遊んだ後、みんなで彼を下流に向けて流し、見届けててから帰るのがルールでしたが、翌日にはきちっと帰着。

彼と遊んだのは小3の夏、お盆前の一週間だけですが、その間は必ず戻ってきてました。

あるときは、遊んでる最中にうっかり流した『金子くん』が、1時間ぐらい後に上から流れてきたり。

一番不思議なのは、これを不思議と思わなかった当時の僕と友人ですね。

上から流れてきたときも、「金子くん流れてきたよ、ヒヒヒ」とか言って、普通にみんなでウケてました。

お盆が明けて(お盆は泳いじゃいけないそうです)見にいったら、もういませんでした。

僕も友人も結構鮮明に憶えてるのに、なんで今まで忘れてたのか…

「忘れてるだけで、割と不思議なことってあるのかも」ということで、友人は帰っていきました。