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WUNDERKAMMER

じじ犬

2017.10.23 07:00

ウチのじじ犬オンリーだけど、俺は夢で犬と会話できるっぽい。

じじ犬と同じ部屋で寝てると、大概じじ犬と喋ってる気がする。


「若いの、女はまだ出来んのか?」

「うるさいよじーさん。去勢されとる奴に言われたかないわ」

「やかましい。お前に種無しになる辛さが分かるか」

「知らんね」

「なら教えてやるわ」

「まぁ待て落ちつけじじい」

「お、宅配便がきおったぞ」

「マジで?起きるわ」


これが一番新しい会話。一昨日の。この日は覚えが悪くて、全部覚えてはいなかった。

そんで起きた時、ちょうどチャイムが鳴ってクロネコが来てた。


俺は近所の人が知ってる以上に、近所の事について詳しい。

じじ犬に教えてもらった事をうっかり言った事で、

近所の人が解雇されたのを暴いてしまって、エラい事になった時もあった。


「若いの知っとるか」

「何が?」

「はす向かいのデカイのがおるだろう」

「田中さん(仮名)か?」

「そうそう。あいつは怪しいぞ」

「何でなん?」

「あいつ、朝家を出た後山師野町(仮名)で見かけた」

「べつにえーやん。仕事中やったかも」

「あり得ん。ここ4日ほど見てたがおかしい」

「…最近昼飯食わずに家でてると思えば、出歯亀やってたんか」

「そういうな。お前だってワシほっといて大学に行ってるだろう。しばらくは様子見だなぁ」


で、一ヶ月くらいだったかな。また声掛けられて。

「若いの。分かったぞ」

「何よ?」

「はす向かいのデカイの、仕事がなくなったようだな」

「マジで?」

「何もせずぼーっとしとる。ありゃ確実だ」

「はー。なるほど」

「お前もああなってはいかんぞ」

でもってその日の晩。

おかんとメシ食ってた時うっかり、

「田中さん(仮名)クビなったらしいなぁ」

「そうなん!?あらー、ホンマぁ~。嫌やわ~」


みたいな会話をしてしまった。

その次の週くらいに、おかんが田中さん(仮名)とこの嫁さんに、

「ご主人お仕事無くされたらしいですなぁ?お気の毒に…何でも力になるわぁ!」

と親切心バリバリで言った所、嫁さんはそんな事知らず、

その日の晩は罵声と怒号が飛び交いましたとさ。


俺が大学行ってる間の事もなんもかんも知ってるし、犬だから誰も警戒しないんだろうな。

確か高2くらいからだった気がする。分かる様になったの。

部活から帰って来て畳の部屋で寝てたら、声掛けられたんだよな。

歳なのは分かるけど、「若いの」って呼ばれるのはちょっとアレな気がする。

皆妄想だとか言うけどねー。


なんつーか、普通にじいさまとダラダラ喋ってるのとさして変わらん感じで、

でもたまに、やっぱり「あーこのじじいはやっぱり犬だな」って思う事があるけど。

「肉が食いたい」とか言われた時とか。

そもそも、何で俺は毎度犬としゃべってる夢みるんかね?


でも最近意外な発見はあったな。犬飼ってる人向け。

ほねっこってあるでしょ?アレの話なんだけど。

「若いの」

「何よ?」

「毎度もらってるメシに注文付けて悪いんだが」

「うん」

「骨が欲しい。偽物の奴は嫌だ」

「あー、ほねっこ?」

「なんというか知らんが、昨日食べた奴」

「あー、ほねっこだわ」

「そのほねっこな、何か悲しいから、本物の方にしてもらいたいんだが」

「ほう。でもあんた喜んで食べてたやん?」

「なんか噛み付かずには居られんというか、それでも騙された感があって空しいのだ」

「さいかー。でも俺らもそんな感じやで?」

「そうなんか?毎度色々うまそうに食ってる様に見えるが」

「いや、そういうのにせもん系良くあるで、カニかまとか」

「なんじゃそれは」

「カニっぽいけど魚な食べ物」

「ほー。若いの。それよく食べとるのか?」

「割とよく食うなぁ。小腹減ったときとか」

「ほう。みんなそれなりに苦労を抱えてるんだなぁ。我慢する」

「まぁ苦労って程やあらへんけど…まぁおかんに言うとくわ」

「よろしゅうたのむ」


だそうで、ほねっこは空しいらしいです。

できるだけ本物の骨あげてください。個人差があると思うけど…

鳥の骨はダメですよ?