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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

神聖ローマ10-アルプスの少女は聖皇后

2017.10.23 15:45

「教えてーおじいさん♪」「よく聞くんじゃ。お前の洗礼名は今から話す何と皇后様と同じ名なんじゃぞ」「えっハイジ知らなかった!」ザクセン朝は二代続けて奥様は聖女。だがオットーの二度目の妻アーデルハイトは孫の代まで政権に協力するのである。

彼女は、イタリア王ロターリオ2世と結婚したが、王はベンガーリオ2世に毒殺され王位を簒奪された。その上毒殺者の息子と結婚を強制されたが、拒否って4カ月幽閉され、脱出したところをオットーに救われ、それが縁で2人は再婚する。アーデルハイト20歳、オットー39歳。

オットーの戴冠では自分も皇后として異例の戴冠、イタリア遠征に同行するなど内助の功ではなく文字通りパートナー。973年の夫の死後は宮廷でも影響力を持ち、983年にイタリア副王となっている。息子オットー2世が急死し、991年に皇后も亡くなると、摂政として、孫のオットー3世を助けた。

皇后は若いときから敬虔な教徒として慈善活動に熱心だったが、995年に政治から引退すると改革派であるクリュニー修道院を援助した。晩年は、創建したアルザスのセルツ修道院で過ごしたが、反乱に苦しむ甥のブルグント王ルドルフ3世の援助に赴こうとして帰天した。♪アルプスーの少女アーデルハイド♪