伸びを解答痕から捉える。
課題提出をしてもらいながら、”検”印をつけます。
その時に、一体何を考えているのか。
生徒の指導に当たる上で、生徒が普段
”どういった学習を行っているのか”、ということを
正確に把握していく、というのが課題チェックの目標です。
文字の筆圧が各ページ違う子は、きっと
毎日小分けして取り組んでいるんだろうな、とか。
途中式や図がいっぱい書かれた後消されており、
最後に赤で直してある子は、きっと何度も
その問題にチャレンジしたんだろうな、とか。
とりあえず答えだけが書いてあっても、
親御さんと一緒にやっていることを
伺っている生徒さんについては、
何度も解き直して分かるようにした結果なんだろうな、とか。
もちろん、あまり良くないところも見えることがあります。
それは、小テストや模試の時にはっきりと表れますから、
勉強というのは、分かることを丁寧に繰り返すことであり、
分からないことが何かを特定し、
それを時間をかけて理解することである、と、
そういう基本的な学習動作をできる、というのが目標なのです。
丁寧さでいうと、1番はYさん。
他にもかなり丁寧になってきた子たちも大勢いますが、
一体どんな点が丁寧なのか説明をすれば
ご納得いただけるかもしれません。
今日は15分も時間が余ったので、課題を
していいよ、という時間をとって、
一体何をどうやってるのか見させてもらいましたが、
今日その子は漢字の課題をしていました。
その際、漢字の課題をやる時の注意点について9月に
話をしたことを未だに忠実に守ってやっていたのです。
1 まず部首を確認すること。
2 漢字の成り立ちを読むこと。
3 書き順を守って漢字を書き取ること。
4 漢字を自己テストしてみたあと、意味が捉えにくい
漢字があった場合は意味をチェックすること。
漢字については、情報がしっかりしており、
全般的に完成度の高い
四谷大塚の漢字とことばを採用しています。
過去の漢字の洗い直しをするために、
今は4年生の漢字をやっていますが、
意外と難しい熟語が並べられており、
知っている漢字のいろんな用法や意味を
学べて楽しいと生徒は話しています。
この手順が間違いなく守られたまま、
2ヶ月を学び続けてきていたのです。
漢字などは基本自宅学習に任せられがちで、
いかに方法を提示して何度か練習をさせてみても、
しばらく経てば自己流になったり、忙しさの中で
いろんなことを省略したりと、雑になりがちです。
どういう風に取り組んでいるのかは見えにくいのですが、
こうやっていざ目の前にしてみると、
しっかりと人の話、忠告や方法を丁寧に守って学習を
ずっと継続してきていたんだな、ということが
はっきりと分かったのです。
「先生、成り立ちと意味があまり噛み合わない
漢字が時々あるんですけど、それはなぜですか?」
ああ、そんなことまで考えてやっていたんだ・・・。
「一見違うように見えるけれど、
先生には似た意味に思えるよ。
どんなところに共通点があるか考えてみたらいいよ。
そういう考え方は漢字だけじゃなくていろんなところで
役に立つからね。」
1週間くらい授業をストップして、
改めて課題についてどういう意識や方法で
取り組んでいくべきなのか、ということを
時間をかけて再確認しても良いかもしれないとすら
思ったような出来事でした。