走れメロス、part2
「ここに、一枚の写真がある。」
穏やかな面差しのポートレイトには、ある青年の苦悩の日々が非情にも東大の腰掛の日々が渡された親の余命に匹敵するとは誰も知らずにいた。
「ありがとう、穏やかな顔に取れている。」
「いえ、ただ購入した機械の様子を、見ただけですし、あまり腕は良いほうでは。」
機械とは、「引き伸ばし機」だが、メーカー製ではあっても、値段からは推定できない、精密さが、大型で質量の重さを思わせて、二の足を踏みそうな言わば、大出血、いやダンピング製品というのが正しい。4つ切りまで拡大可能なフジの焼き付け機は、彼が高2のときに、Nikon F の購入後、すぐに必要とした因縁の物でもあった。慶応高校の機知は、優れていたが、娘の父親の東大法学科の頭脳にとって、忌々しいだけの無意味な学生だった。だが、彼の従妹の夫であった。
焼き付けは定着が足りないと、塩素漂白のごとく、画像は消える。高校3年では、すでに人生の意味を熟知している暗さを隠せずにそういう行動になったといえる。彼は天才ではなかった。
この一枚の写真は、この十名の屋敷の人々に現実の扱いを加える起因になったことは、受け取った父親だけは、理解していた。それは、彼が電気科で積分路を理解しているがごとく、明確であった。ありえない、出会いであると一名の医者が知るのみであった。
「あれは、敵です。アジをやっていたから、覚えていますよ。」
若い医者は自分より背が低い東大法科8年生を、そういった。年齢は同じくらいだと、慶応生はなぜか友情を見る思いを想っていた。栃木日光市立病院は、インターン後の医者を受ける役目を与えられていた。柱という医者は、既に面倒を見る彼の父親の部下であった。年の差は12歳だが、妙に老成している学生、工の2期生は穏やかに過ごす毎日を崩していなかった。彼らのトータルの学識力は、同じくらいで、最高学府でない彼に並べてみて、人生の意味が起きていた。足尾銅山の鉱毒事件からもう10年が経っていた。副院長の彼の父親に、彼のことについて、質問したが、大した答えはなく、山に蝶を採りに行くことを知った。
「誠吾ちゃんは、オオイチモンジがいても、取らないんだ。」
一才年下の彼の親友は、意味なく言うだけの秀才であり、まさか、同じ程度の秀才性があるとは知らずにいたが、目先の効く柱の眼にはそこに、大きな意味を持った。東大である意味は、霞出していくので、副院長に聞いた。
「日光の山で、一番の山は、なんというのですか。」
「それは、日光連山の縦走経路の一つでもありうるよ。」
彼ら二人の学生は、裏男体側から戦場ヶ原へと抜ける経路を走破、その情報が届いた。決心は、アンナプルナへの随行を選んだ。先ず、ハッセルを購入、その夏の間に、連山縦走に挑んだ。結果は、女峰・赤薙を踏破後、戦場ヶ原へ降りてしまった。体力は、医者であることで、十分だが、ヒマラヤ遠征には更に倍の力を要した。焦りはないが、日光白根の魔、マヤクボに入りかけて、止まるという意志を証明した。但し、単独行だった。
月日は、二人の東大生を、近づけて行くが、ふと日比谷高時代に山岳部だったことを、口に出した。
友人の一人である、証拠の「アンナプルナ」の遠景は全紙のモノクロで写っていた。
何故、この遠征隊に加わったのかは、知られない事実の裏に超然と存在していた。医師であること、山岳部であることには、ある謎が最低でも、一つあった。背が低く、筋力が強いのは、その特徴でもあり、彼、誠吾の特徴に一致した。
「2000m級の日本アルプスには、高山蝶はいないそうだけれど、採集は難しいのでは。」
「実は、大抵、1500から1800程度で、採れる種類を、狙うんで。」
「じゃあ、せいぜい、3種類くらい。」
「一応、そうだ、ちょっと、待っていてください。」
5分ごそごそ、写真のアルバムを持ってきた。そこには、展翅された、7種類の高山蝶が写っていた。
「タカネヒカゲは、採れないのだ。」
「あれは、穂高の稜線に上る必要があるので。」
慶応生は、アポロチョウについて、熱弁した。
「そう。」
ベドウィンを避けながらの、シップドクターの採集記は、医者にはやや、問題があったのかもしれない。翌年、穂高と北海道の大雪を踏破した若き医師は、日光で慶応生と、丹勢山という男体山の前衛で競い合った。医者は難なく、1500mへ、遅れたほうは、10m遅れて、体調を崩した。眼が合って、笑ったが、500mを30分で稼いだことは、本当は物の意味があった。伝わる、心臓の拍動は生命体の証拠であり、ヒマラヤの0.5気圧においても、変わらないものだった。
遠征隊に加わった事情は、別にもあったが、1年を要して、着実に山岳への接近を敢行、事実はその数値のデータ、つまり、筋電図等のデータが、高度差を越ええるかを見つめるものだった。0.5気圧での、筋力の減衰等の出来うる限りの、対応性を上げていった。後日、電験での試験にそれが表れていくのだが。普通、異心伝心という。
数学において、過去へ、観測点を移動して、現在のデータの特殊な取得から、過去の事実を、隠すことは、ほぼ、98%の確率で可能になるということは、そこには、いかさまである行動・発声の意味付けを、過去の事実を想定させて、そこに少し、虚偽を、上手く含めると、可能になることは実際には、出来なかった。そういう性格、人格には、なれないように人間の精神構造はできていることを、余計に知っていた。一番、近い方法は、常識的なゲンと非常識なゲンを、言葉上の位置関係、つまり文章上の、主語、述語の置かれる位置は、英語と日本語では、意味合いにおいて大きく異なることなどでも、単純には可能な現象化であった。連想の枠を超えた、矛盾は、時に「近過去の記憶の一時的な、封印」という形でもあり得た。人間は、そうした行動を、取りにくく、表情に現れるのが常である。だが、もしも、時間流の中で、スタックが起きてしまうと、時間は停止の様相を呈し、裏バム思考の、直後にpopして時流を乱さない行為において、地球磁場に取らえられた、ニュートリノのように、loop状の重要素の確率で、2次的に、行われると100%の勘違いを起こせるのだった。だが、素質的な差が大きい場合には「誤解」が常になり、それでもタマの勘違い、の事に終着、過去は変わってしまうのだ。記憶は変成するものであり、容量において、足りない場合には、これに落ちりがちである。日常性の維持の「危機は」、過去が正しいことを、示してしまう。1次で未知数5の5連の連立方程式を解くときに、5個の未知数の一個が、二つの数値を示す場合、金銭において、1円という最小単位のerrorは、常に付きまとい、積算させることが、当然のように、行われていると、双極三角関数における、変数に対する、関数が、不連続になる場合、答えは、2個になりうるのだ。四捨五入において、1であった、errorは、次に五捨六入がなされると、「下位の桁において、zeroキャンセルする場合」、いわゆる、リップルブランキングにおいて、よく使われる。これは、「安全サイド」の、常識化において、普通になるが、これは、4本のスリットにおいて、1本が、同じタイミングの別種のコマンドの場合、本当に発生する問題なのだ。言語脳が未熟な場合、この解析的な、設問は避けてしまいがちだからである。速度を上げることには、熟練が必須で、普通はブロックされて、収斂する。
「それは、多分、嘘です。」
嘘を付いているのは、彼の方だが、この言葉が先に出るのは、圧倒する知能がなせる、「離れ技」でもあり、最右翼の人格は、何故か無言になるのである。
過去の事例は、情報の確度・真容量において、勝らねば変えられるのである。ここで、文章を取り上げたが、「眠狂四郎」において、何度も経験しているのが普通だ。これでも、納得しないと、当然の「川端」が、(続編)の形で、これをpushしてしまうのだ。
この事件は、迷宮になるわけだが、例えば、知り合いが警察関係の場合、完全に2つ以上の、結論に達してしまうのだが。それは、登頂成功からの、ベースキャンプでの下山の時期に派生していったわけである。
「君の言う通り、その教授がそうであったのなら、そこで、一つしかない解じゃないの。」
確かに、ニュートリノがloopに入るには、別のルーツを仮定する必要がる。フーリエもフェルマーも否定的になる。だが、2次さん乱角は複数個アリ、どの一個でも、そう扱いうるからなのだが、ここで、ジッターベーグングを理解できるかどうかが、問題になる。両要素を含む、水中の光電管は、同じ緯度に置かれ、任意の時間に、ニュートリノのコンプソンを観測した。地球の自転速度を加えた場合、ニュートリノの速度は、やや、増すはずだ。だが、赤道方向のαが存在するはずで、自転速度と地軸の傾きの効果でフェルマーが発生するが、同時にフーリエの仮定はできないはずで、その上、この場合にこそ、2/πの妥当性の数学的考慮が、発生する。知られている、係数は、√2/π、が一般的だが、これで、2次散乱の個数は事実上、2個で、これ以外の係数は、与えられない。Vector、テンソルを用いても、トモグラフィーは無効だった。
「softwareは使えるが、どうやって、高速の粒子の性質を、たとえ、ファイバー理論を用いても、1次足りない。」
「潮汐力は、有効になるのかなあ。」
それでも、INSが必要になるわけだが。
「ねえ、ハイブリッドの車って、どうなっているのか、教えてよ。」
友人と教授のハイブリッドでも、作れたらいいが。
「あそこは、4300m以上だ、言った通り、蝶がいるが、それは植物があること、食草があればいいが、ないらしい。」
別に、別のアルコラートに変えればいいわけだが。
「ユータリア以外も、飛んでたよ。」
今では、杉並でも、11月にヒョウモンが飛ぶので、ますます、怪しいわけで。
「3776mでは、高山蛾は分布はできるが、富士には、いないことで、日本にはいないと言われているが、過去のどういう例でも、富士にはいなかったらしい。」
分布域は定かではないが、多分、分布する。高度生命の持続が何を意味するかは、それは、医者は知っていそうだが、(石にも生命がある。)からは、高度なエントロピーには、生きる掟が、確固とした生命の息づく数万年の時間を見る気がした。かえって、シンプルな昆虫の一種は、適当に見えてくる。生命はtrickではなく、多分、「散乱断面積」も持っている。やはり、「見込む角度」が事件のマスキングをしている。
「何語が常用なのですか。」
言語の文面に、法は書いてあるのが普通だが、多分、そうではない。医者は、かすかにほほ笑んだように見えた。TVに女優のCMが。
「深田恭子がいいですね、かわいくて。」
「あまり、若くないけれどね。」
これでは庄司2の登場が必要になってしまうわけで、イタリア語でも覚えておけばよかった。
「それで、犠牲はあったのですか、」
見えてくる、アンアプルナは、丁度のキャリアのどちらでも、評価しないように、アタック隊の最後の斜面の角度を見た。速度とルートの角度は撮れていたのだろうと思うが、送りこんだ、人の数は、3名、確かに制約違反条件には違反してはいない、だが、最大需要率が引っ掛かる。数字は、やはり、1.41421356と1.5だった。
「シェルパは2名、アタックには、一方だけですね。」
写真が出された。日本人との比較では、兄弟のように見えるほど似ている。
「そうです、原因は。」
アクガニスタンには国がないと言った。そこへ、米の国務が行くらしい。イラクは内部紛争にも出っていく。イスラム国はもうない。全紙のハッセルのアンアプルナは、20km先に見えている。このパースペクティブがその様子を見せている。
「下りの、恐ろしさを、考慮できますか、特にアタックにあたった。」
左右のふらつきは、そこでは、命とりだという、ことは言われてみれば、分かる。最後の事だが、
「クレバスは、アルミ製の梯子で越えるのが普通だが、ここに写っていますね。」
まあ、自分では、20m落下するのは目に見えている。これは、記録ではなく別の意味があったらしい。
台風で北海道は40センチの雪が積もったそうだ。災害の国は、分からないが、気象は明らかに異常だ。アフリカのサバンナはインド大陸の衝突でできたヒマヤラの造山の影響で出来たことは、有名だ。9mが数字だが、12mの塀では、15mは越えてくる。奥の手の、「学会」での、集中なる極秘の方法がなされるtimingともいえる。
「直観では、たしかにできませんね。」
庭に、雪がぱらぱらと、降ってきた。椿の葉のふちに、積もっては、水滴化していく過程は、大変なアルゴリズムであり、何故、写真が消えたのか、もう一度考えてみよう。まだ、10月だが、年賀状の絵柄を¥450から、選んでおくことにした。馬込のほうが、2度は気温が高い。これが、分かれば、要はなく、かぜよけの2錠を飲んで、フッと息をついた。
彼は奥の茶の間で、話している。11月の和名は何だか知らない。