応募者から落とした理由を聞かれると、正直、困りますよね。
弊社でもお客様からたまに「どーした方が良い?」と聞かれたり、
自社の採用においても聞かれる事があるのですが、割と困りますよね。
不採用通知を出した応募者の方から「選考理由を教えてください」
って、聞かれてしまうのって。
基本的には、私たちの場合は選考理由は一切、明かさないことを勧めています。
理由は「100害あって一利なし」だからです。
応募者の方の立場にたてば、どんな理由を示されても、
心情的には納得しがたいものです。
例えば「◯◯のスキルが弊社が求める水準ではなかった」
と明かしても「いまいち面接ではアピールしきれなかった、もう一度」
となるかもしれないし。
「面接の服装がだらしなくて」なんて理由だと、
もし伝えたら、不快になる人がほとんどでしょう。
さらにつきつめていけば、採用選考というのは、
基本的には他の応募者との相対的な評価という点にいきつくので、
AさんとBさん、能力的にはかなり近いけど、
Aさんの方が、感じが良かった。みたいな理由だと、
顔も知らない相手と曖昧な基準で比べられて、
なんとなく劣っているとされるのは、いい気分はしないでしょう。
また優秀でも「うちには合わなそう」といって不採用にすることも、
よく聞く話ですが、それを応募者の方に伝えたからといって、
納得してもらうのは難しいはずです。
なので、どのようなケースにおいても不採用通知を送ったあとで、
選考事由を起こすことは感情的な軋轢を生みやすく、
それゆえにトラブルに発展しやすいです。
あとこれもよく聞く話ですが、アルバイト系の面接だと、
たまたま電話を取った新人の方が、よくわからずに、
「うちは女性しか採用してないです」とか
「60歳以上の人は、お断りしています」とか
対応しちゃって、大きなトラブルになってしまったり。
どのような場合においても不採用通知を出したあとに、
選考理由を明かさない事はトラブルを防止する上で定石となると思います。
ただ一方で、応募者の方としては「次に活かしたい」というような動機から、
質問されている方もいらっしゃると思います。
その気持ちはすごく分かるので個人的には選考の検討に入る前の、
面接の終了段階で、すぐにフィードバックするようにしています。
※特に新卒やキャリアの浅い求職者の場合は。
「ポートフォリオのここは、こう見せた方が良さが伝わりやすい」とか
「あまりにも伏目がちで話されると、面接する側としてはは不安になるので、
もう少し目を合わせて話された方がいいかもしれませんね」とか
他の企業の選考でも使いそうな職務経歴書に誤字があったりしても、その場で伝えます。
「うちはそこまで気にしませんけど、企業さんによっては、
それで問答無用で落とすところもありすから」とか。
まとめると、選考事由を応募者の方に伝えるのは、
選考においてどうしても人物判断といった主観や他の応募者との比較などの
要素が入ってしまい、客観的な理解を得る事は難しく、
感情的な軋轢を生み余計なトラブルを起こしやすいのでやめた方がオススメです。
ということでしょうか。