神聖ローマ12-マジャール禍を救った聖人達
2017.10.26 02:08
ここで敵役として歴史に登場するマジャール人。元はウラル山脈南部に居たらしい、やはりアジア系遊牧民族。彼らはオノグル人と呼ばれていて、これがラテン語読みするとフンガルスになり、やがてハンガリーとなる。彼らはやはり民族移動で西へ押し出されカルパチア盆地に入り、アヴァール人に代わった。
彼らは騎馬戦闘系民族であり、そのまま西に行ってフランクに侵入した。イスラムもそうだが、フランク系はどうも騎馬に弱い。オットーに敗北後、カルパチア盆地で国をつくることになり、カトリックを取り入れることになる、そしてすぐ聖人王が出てくるのだがあとのお楽しみ。
この時代の「マジャール禍」の中では4人の聖人が居る。聖ヴィボラーダはスイスのザンクト・ガレンのはずれに庵をもった陰修女で、926年のマジャール襲撃の中で、修道院の書物をよそに避難させるよう助言、おかげで貴重な写本の数々が現代まで残ったが彼女は殉教。
アンデグスの聖ラッソはバイエルンの武人で、戦役で武功をあげた後、修道院を創建した。アウグスブルクの司教聖ウルリヒは、町を石造りの城壁で囲んで堅固にしてマジャールの包囲を耐えぬき、武功をあげ勝利に貢献した。レーゲンスブルクの聖ヴォルフガングは大胆にもマジャールの宣教に行った。
下はブダペスト英雄広場の7部族長像