ナポレオン60-タレーランとフーシェその後
2022.01.17 09:29
政治のカメレオンという異名がつく元警察長官フーシェは、フランスを追放されて、メッテルニヒの庇護を頼ってオーストリアに亡命、各地を転々としながら1820年墺領トリエステで亡くなった。なんと彼は教会のミサを欠かさなかったという。やはり死が迫ると来世が心配になる、彼はどんな祈りをしたのだろう。
フーシェは変わった男で、金にも女性にも興味を示さなかった。革命の中で、ルイ16世殺しだけが目立ってしまい、自分の保身のために、ロベスピエールを殺し、ナポレオンを頼り、また秘密警察を国中に張り巡らした。彼が永らえたのも、政治権力者の黒い秘密を握っていたからだ、とされる。
元外務大臣タレーランは、政府を罷免されても、ルイ18世から侍従長の役職をもらって優雅な生活を続けた。政治の執念は捨てず、なんと極右のユルトラに近づいたこともあるようだ。しかしブルボン家が国民と対立すると、ルイ・フィリップをかつぎ出して7月革命に重要な役割を演じる。
フーシェと正反対で、金も女も大好き。彼は元司教だが教皇に逆らい、かと思えばナポレオンと教皇を仲介する。革命に身を投じたが、ナポレオンのもとで出世し、裏切って、またブルボン家につく。しかしフランスという国を守ろうとしたことは確かのようだ。