座っていても痛む腰痛
動けないような痛みの腰痛もあればジッとしていても痛い腰痛というのがあります。
腰の痛みは様々です。
座っているのが苦痛だと訴えている方の例です。
水害の片づけで長靴を履いて荷物を担いだことからなったおっしゃっています。
もちろんそれだけが原因ではありません。
普段からの身体の使い方にも問題があります。
人間はある意味1Gという重力にさらされながら移動する構造物と考えられます。
正しく使わないと必ず壊れます。
機械と違うのはそれに精神という意思が伴うことです。
意思が過剰に出すぎて片寄った使い方をしている場合それを変えないとまた同じことを繰り返してしまいます。
車の運転をする人の意思が乱暴だと運転が乱雑になり車が壊れやすくなるのと同じです。
機械と違うのは落ちついて身体との対話をすると休息と共に修復する機能があるということです。
整備しながら乗れば長く乗れますからね。
単純に物の考え方だけを変えても動きは変わりません。
動きと当時に物の考え方や取り組み方を変えてこそ精神の効果がでます。
腰痛は精神疾患のように言うのが今でいう科学的だと言っても痛いものは痛いです。
まずは動きを変えてその痛みを取り去ることが大事です。
メンテナンスの仕方を覚えてもらうことが私達の仕事です。
この方の場合、水害の片づけで疲労し、冷えて風邪のような反応を左胸周囲で起こしていました。
これがお腹を通って左下腹部まで反応がありました。
左鎖骨内側は、叩打すると痛みがあります。
左上腕の屈側の一部も血管系の影響を受けて圧痛があります。
リンパ系の反応ではありません。
腹部の血管系を通って左股関節までその影響がでていることで左下腹部が張るようになっています。
そこから大腿前側から下腿まで影響を受けています。
姿勢から考えると左下腹部が収縮し股関節屈曲状態になることで膝関節もやや屈曲になり左背部の筋肉は引っぱられるようになります。
それによって胸部も縮み、巻き肩の状態になりやすくなり、顎も前突します。
こうなるといつ腰痛を起こしてもおかしくない姿勢になります。
引っぱられた筋肉は血流障害、リンパ障害を起こしやすくなり痛みとなってしまう訳です。
何度も言いますが腰痛は腰を使わなければ良くなりません。
長時間長靴を履いていると腰痛を起こしやすくなります。
長靴は底が扁平で疲れやすく、サイズも大きめを履くことが多いので、指が釘指状態になり脱げないように指を立てて歩行してしまいがちになります。
このため踵重心になりやすくなり、腰痛を起こしやすくなります。
意外にも長時間長靴を履く人に外反母趾は多いのも事実です。
長靴でも踵に高さがありやや前気味に体重がかかる靴はまだマシです。
またサイズもピッタリ合うものなら長時間履いていてもあまり疲れません。
しかし、長靴の用途は短い時間しか履くことがないのでそこまで考えられていません。
底の平らな長靴で慣れない水の中をジャブジャブと歩きながら冷えて荷物の上げ下ろしをした結果、それが誘因となって風邪をひいて痛みを起こしたというのが本当のところだと思います。
ただギックリ腰とは違いますので歩行はできます。
動きも大きく制限されることもありません。
しかし、こういう痛みの方が長続きすることが多いです。
なぜなら痛みはあっても動いていると何とか動けるから徐々に気にしなくなってくることが多いからです。
こういう腰痛を放置しておくと完全に慢性的な腰痛となり、やがては関節や内臓への障害も考えられます。
なめるな腰痛!!
ということですね。