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ERRC

スペシャルタレントとは?

2017.10.26 16:08

ブログでもご紹介しましたが、発達障がいという名称については多くの人が異論を唱えています。今回は、家族メンタルサポート協会理事長である、森薫先生のお言葉をお借りして、スペシャルタレント (ST) という考え方を改めてご紹介したいと思います。私たちERRCは森先生とともに、ST気質の子どもたちや若者の支援を行っています。近々、誰でもご参加頂ける勉強会も開催予定ですので、ご興味のある方はぜひご参加ください。


スペシャルタレント (ST) 気質

発達障がいを含め、多くの悩みを抱える子どもたちにはある共通の気質というものが存在しています。それは、五感力に優れ、興味のある専門分野では突出した才能を見せる一方で、協調性や集団適応力が必要とされる場面が苦手であり、非常に”こだわり”が強いという特徴があります。その”こだわり”が自分の好きなことや興味のあることに向けば、彼らの素晴らしい才能が発揮され、社会的にも活躍が期待されます。しかし苦手な人間関係に向けられた場合は、学校生活や社会生活に適応できずに苦戦を強いられることになります。現状では、彼らの「コミュニケーションがとれない」「協調性がなく他人のことを考えない」など否定的な部分ばかりが取り上げられ、彼らの素晴らしい才能など肯定的な部分への理解は不十分なままです。森先生は、これらの子どもや若者の持つ秘められた能力が存分に発揮されることを願い、”特別な能力を持つ” ということから、”スペシャルタレント (ST)”と呼ぶことにしたということです。否定的な部分をつつくのではなく、肯定的な部分を褒めて伸ばすというのは、ST気質の子どもたちだけでなく、すべての子どもたちに言えることです。良いところや得意なところをたくさん発見して、たくさん褒めてあげてください。


スペシャルタレント気質チェックリスト

 家族性、先天性の気質

 自分独自のシステム、ルール、手順にこだわる

 オールorナッシング思考 (白黒をハッキリつけたがる) 

 感覚が過敏 (聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚、痛覚、第六感など)

  →注射を非常に痛がる、クーラーの風を嫌がる など

 興味・関心の偏り

 一方的な指示・要求に対して頑なに拒否する

 否定されたことについて折り合いがつかない (気持ちの切り替えが難しい)

 学習面での得意・不得意の存在

 時間に対するこだわりが強い (特に終わる時間)

  →時間という枠組みに守られているという安心感:これが崩れると不安が高まる

 あいまいなこと、予測できないことへの不安が強い

  → X『ちょっと待ってて』 O『あと5分待ってて』

 翌日のシミュレーションをする (寝る前に翌日の計画を立てる、イメージする)

 自分の立てた予定に対する突然の変更に対応できない

 記憶力が良い (特に否定的な出来事)

 空気が読めない (隠れたメッセージを読み取る、暗黙の了解が苦手)

  →「ティッシュ持ってる?」:「持ってます」しかし渡さない など

 チームワークが苦手

 急かされたり、強制されたりすると嫌になる

  →自由にやらせてもらえると素晴らしい力を発揮

 正直で嘘がつけない (思ったことをストレートに表現する)

 同年代との付き合いが苦手 (空気を読む、ノリを合わせるなどコミュニケーションが苦手)

 一人を好む (集団生活より自分の世界を好む)

 ドラマが苦手 (先が読めないことは苦手)

 昼休みが苦手

 相手の年齢によって言葉の使い分けができない

 気候によって体調が左右されやすい (低気圧による体調不良 など)

 すぐに結果を求める (待つことが苦手)

 ありがとう、ごめんなさいが言えない


スペシャルタレント気質についての理解と支援

ST気質の子どもたちが抱えやすい問題については前回述べたように、古い教育思想が深く関係しており、周りの理解が得られないと彼らの自由な発想や可能性をつぶすだけでなく、精神的に追いつめてしまうことがあります。それが二次障害であり、うつやパニック障害、摂食障害などさまざまな問題を抱えてしまうことになります。これは重ね着症状と言われ、何枚も上着を羽織るように症状が積み重ねられてしまうと、問題の根幹であるST気質を見逃してしまうことが多いのです。ですから、精神科できちんと診てもらっているのに改善されない、良くなってもまた別の症状が出てきてしまう、など治療が難航するのはそのためなのです。この負のサイクルから抜け出すためには、まず本人の自覚が必要です。そして周りの理解と協力を得ながら、自分自身の”取扱説明書”を作成するのです。得手・不得手を知ることは、将来社会での活躍の場を広げることにもつながります。また、その上でキャリアガイダンスを受けることも非常に重要です。ここで、森先生の提案するST気質の子どもたちにとっての最適な環境づくりについてご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。


1. マイシステム、マイペースが許される

2. 強制させられない

3. 大声で要求されない

4. 急かされない

5. 得意な分野が尊重され、苦手な分野には目をつぶってもらえる

6. 一つ一つの頑張りが認められ、すごいね!としっかり褒められる

7. 無理やり友達づくりを求められない

8. 空気が読めないことを認められる

9. いつでも相談にのってもらえる人がいる

10. 演じる必要がなく、あるがままの自分でいられる

11. パーソナルスペースが保証される

12. 異年齢の人たちと交流できる


進路 

・海外留学は最も自信につながる

・最先端の分野:科学、医療、芸術、建築、アニメなど

・伝統的な分野:農業、林業、漁業、伝統的工芸など

・福祉の分野:介護士、理学療法士、保育士など

・動物に関わる分野:トリマー、ドッグトレーナーなど

・その他:芸術、芸能、アスリート、フリーランサー、ジャーナリストなど

  →スペシャリストとして活躍 (マネージメント、企業には向かないことも)


★ 私たちERRCでは、カウンセリング、教育コンサルティング (学習支援・進路相談など)、また英語学習プログラムや留学サポートなど、幅広く支援を行っています。悩みは自分だけで抱え込まず、誰かに聞いてもらうことが必要です。ぜひ、お気軽にご相談ください。

ご予約・ご質問: 080-3345-1370
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