1922
2017 NETFLIXオリジナルドラマ
ネタバレしています!ご注意ください!
スティーブン・キングの小説が原作。
アメリカの田舎の農夫が、
代々続くその土地での生活や価値観にとらわれて、
土地や田畑を売って都会に出ようとする妻を相容れず、
息子を言いくるめて妻を殺害し、
妻は町へ出たことにして何事もなかったかのように
現状の生活を維持しようとするも、
農夫自身も息子も
徐々に精神が崩壊していく
その様が暗く重苦しく延々と描かれます。
日本の田舎も、アメリカの田舎も、そう変わらないんだなーと。
1922年の物語なので、100年前ですが、
ところ変わっても、時代変わっても、
色々お飾りがついただけで、人間の本質にはたいした変化はないんでしょう。
どこにでもいる頭の固いおじさんのお話しですが、
だからこそ、それが凶行に走り狂気に陥る様は恐ろしいです。
とてもグロテスクです・・・
生々しく、凄惨なシーンや遺体もリアルに描写されていて、
それが主人公の妄想なのか、現実なのか、
ぎりぎりの線で、淡々と物語はすすみます。
おぞましいし、気持ち悪いし、ねずみがとにかくうようよとはい回るし、
ぞっとするんですが、
目をそむけたくなるシーンの連続なんですが、
なぜか絵画的な美しさが漂っているように感じました。
描いているものは究極にグロテスクなんだけど、
”間”とか”構図”とかが絶妙で、
題材はグロテスクで暗いけれど、とても美しい絵画を鑑賞しているような感覚で、
1時間45分でしたが見入ってしまいました。
登場人物たちが宗教的に苦悩する様が描かれてもいるので、
教訓というか、戒めのようなものが表現された宗教画みたいなものかも。
乾いた色彩とか、遠景からの描写とか、素敵でした。
ただ単に血しぶきがとびちるスプラッタとは違い、
精神が崩壊していくおぞましさがあります。
登場人物はとても少ないけれど、ほぼ全員が悲惨な末路を迎えます。
背筋が凍ります。
もう見ないけど、でも嫌いじゃないかも・・・。
4つ星とか付けたくないけど、でも3つ星ではないな・・・。
お母さんの置き土産のレモネード美味しそうだし。
息子かわいいし・・・。
とかミーハーな感想で終わっていい映画では、ありません・・・。(でも終わる)