仮想通貨ビットコインだけで3カ月暮らした夫妻
「簡単な操作だけで支払えたよ」。8月、ソフトバンクと米通信大手スプリントの買収を巡り争った衛星放送大手ディッシュ・ネットワークがビットコインで料金の支払いを受け付け始めた。真っ先に支払ったのが米ユタ州在住のクレイグ夫妻だった。昨年7月から新婚生活の100日間をビットコインだけで生活した名物夫妻だ。夫のオースティン・クレイグ氏が電話でのインタビューに応じ、ビットコインの普及について語った。
――ビットコインをどういうものだと考えているか。
ビットコインのみでの生活を記録した映画を制作中のクレイグ夫妻
「全てをつなげるインターネットの破壊力が規制業種の金融にも及んだということ。草の根の運動だ」
――ビットコインはまだまだ普及途上だ。ビットコインのみでの生活は、草の根のレベルでいろんな人に無理やりビットコインで払わせてほしいとお願いしなければ成立しない。支払いを受け付けてくれた人々の印象は。
「実験を始める前はギーク(コンピュータオタク)の白人男性が使っているというイメージがあった。だが、支払いを受け入れてくれたのは必ずしもそういう人々ではなかった。レストランのオーナー女性など多様な人々がビットコインを耳にしており、それが何なのか学び始めていた。一般的なメディアで少しずつ話題になり始めていることが大きい。60歳代の人もいたくらいだ」
――規模の大きな企業の対応は。
「大規模なチェーンでは意思決定の手続きが長く、基本的には店舗レベルで受け付けることができない。特に大手チェーンが大半のガソリンスタンドでは、現場で判断ができず、交渉は難航した。家から50マイル(80キロメートル)離れた場所にようやくビットコインを受け付けるガソリンスタンドが見つかった」
「大家にビットコインでの支払いをお願いした時には、交渉は難航したが、借り手がいなくなるよりはと1割の家賃上乗せでビットコインを受け付けてくれた。住宅の保険は他の州でビットコインを受け付けた実績のある保険会社ブシャン・マクスパデンで手続きできた」
――ビットコインを受け付ける旅行会社シンプリー・トラベルを使って欧州やアジアなどを巡る新婚旅行にも出た。地域によってビットコインに対する反応に違いはあるか。
「各地域にビットコインをもり立てようというコミュニティーがある。このコミュニティーは地域によって性格が異なる。ビットコインを最も受け入れているのは米国だと思っていたが、むしろ限られた集団にとどまっている。シンガポールなんかでは結びつきが強い印象だった」
――ビットコインのみの生活のドキュメンタリー映画をつくっている。
「来年には正式に公開する計画だ」