ZIPANG TOKIO 2020「六郷満山 世界遺産認定を目指して〜2018年 六郷満山開山1300年〜 国東半島一帯に広がる六郷満山文化とは(第三話)」
国東半島の中央に位置する標高721mの両子山。そこから放射状に海へと下がる28の谷が、半島に刻まれています。
大昔、谷には郷ができ、「来縄」、「田染」、「伊美」、「国東」、「武蔵」、「安岐」という名が付けられました。
この郷を中心に発展した山岳仏教が『六郷満山文化』と呼ばれています。
そのうちの4つの郷が国東市にあり、六郷の中核を成していました。
両子寺
文殊仙寺
ケべス祭り(国東市)「ケベス祭」は、櫛来社(岩倉八幡社)で、毎年10月14日に行われる秋の大祭です。火の粉散らす天下の奇祭で、起源や由来は一切不明の火祭り。夕闇に包まれた境内に近くの海で禊ぎをした「トウバ」が、白装束に身を固めて集まります。奇怪なケベスも混えて境内を行列し、やがて境内の一隅に積まれた「シダ」に火が付けられます。
にわかに行列が乱れて、ケベスが踊り出し、トウバが守る火の中に突入しようとして、攻防を繰り返し、ついにケベスは棒を火に突込み火の粉を散らします。
火の粉を浴びると無病息災が叶うと伝えられています。
国東半島に伝わる神仏習合の六郷満山文化「世界遺産認定」を目指して
宇佐神宮本殿
奥の院大元神社に金色の光が降り注ぐ
太古の昔から、神を信じてきた日本人ですが、6~7世紀の仏教伝来以降は、仏教文化も取り入れ、国家の中心思想としました。
神を仏とし、仏を神とする神仏習合文化は、その発祥の地である宇佐神宮・国東半島で最も輝かしくその華をさかせました。
互いの異教文化を認め合い、共存するという独特の思想・理念は、世界でもあまり例ををみない特異な文化といわれています。
その世界に誇れる文化を保存し、後世に残すために、世界遺産認定を目指す活動が、この国東の地を中心に活発に展開されています。
前号に引き続き「第17番 千燈寺」~「第31番特別札所 両子寺」を紹介いたします。
第17番
補陀落山 千燈寺
大分県国東市国東市国見町千灯558-1
TEL.0978-82-1012
現在本堂が位置する向かいの山が、旧千燈寺跡であるが、仁聞入滅の地として最盛期には六郷満山最大級の寺院と云われていた。養老二年(718年)仁聞菩薩の開基とされ本尊は千手観音をお祀りしております。旧千燈寺跡の裏山には不動明王をお祀りした五辻不動があり古くより信仰されている。また旧千燈寺跡は紅葉の名所としても有名で多くの参拝客が訪れる。
第18番
石立山 岩戸寺
大分県国東市国東町岩戸寺1232番地
TEL.0978-77-0537
修正鬼会の寺として知られる岩戸寺は養老二年(718年)仁聞菩薩の開基とされ本尊に薬師如来をお祀りしております。昔この地は天領として栄え、その地区を治めていたのが岩戸寺でありその名残が立葵の寺紋からもうかがうことが出来ます。今は成仏寺と隔年で行われている修正鬼会は県内外より多くの参拝者が訪れ、五穀豊穣・国家安穏をはじめ、厄落とし・無病息災の祈願が行われる。また、国の重要文化財に指定されている国東塔はその造形美から国東半島を代表する作品とされている。
第19番
久保山 長慶寺
大分県国東市国東町岩戸寺2136番地
TEL.0978-77-0400
幕末のころ、この地に鎌倉武士猪俣党の末裔猪俣源三郎則政という篤信の居士が考えることあり六郷満山の寺に入り出家得度し修行中霊夢を頂き「近くに荒れ寺あり再興せよ」。私財を投じて養覚院をこの地に移し、長慶寺と改称住職となる。時、明治十九年であった。養覚院より数えて八百数十年、今日まで法灯を護持している。本尊には准胝観音・脇仏に不動明王と毘沙門天をお祀りしている。寺宝の一つ、「幽霊掛け軸」は有名で毎年三月十日に御開帳回向日といたしております。
第20番
治池山 大聖寺
大分県国東市国東町来浦1875番地
TEL.0978-77-0151
延文三年(1358年)宗慧上人により開基されたと云われております。
二階堂家ゆかりの寺として開基に至る壮大な物語が来浦の若宮八幡宮に残っており参拝の際にお尋ねください。
本尊は不動明王をお祀りしております。大聖寺の五輪塔郡は有名で、300を超す五輪塔をはじめ、大小の宝篋印塔などが大聖寺駐車場より100メートルほど下がった場所に大きな大木の麓に奉安されております。
第21番
特別札所
峨眉山 文殊仙寺
大分県国東市国東町大恩寺2432番地
TEL.0978-74-0820
大化四年(648年)役行者による開基とされ、六郷満山随一の古刹である。本尊は文殊菩薩をお祀りし、卯年の守り本尊であることから12年に一度卯年の春・秋大祭に於いて御開帳される。日本三文殊の一つとして広く信仰され、春季大祭では「火渡り行」が執り行われ、秋季大祭では八千枚大護摩供が厳修される。「三人寄れば文殊の智恵」のことわざにもあるように、合格祈願・智恵授け・学業成就など数多くの参拝者が県内外より訪れます。
第22番
龍下山 成佛寺
大分県国東市国東町成仏1140番地
TEL.0978-76-0626
養老二年(718年)仁聞菩薩により開基されました。今日では天念寺・岩戸寺とならび、修正鬼会の寺として有名です。本尊には不動明王をお祀りしております。また、山号の龍下山に見るように、龍を成佛寺の奥之院に封じ込めたという伝説の童話も残る由緒ある寺院です。
第23番
妙徳山 泉福寺
大分県国東市国東町横手1913番地
TEL.0978-72-2035
永和元年(1375年)国東半島に勢力をはった田原氏能の母無伝尼の発願により無著妙融禅師を開山として建立されました。九州で最初の禅寺として開山した泉福寺は以来、曹洞宗の九州総本山として栄え無著派の根本道場として今日まで継承されております。
当時の勢いそのままに残る文化財も数多く、開山堂は国の重要文化財に指定されております。
第24番
興満山 興導寺
大分県国東市国東市国東町鶴川1827番地 TEL.0978-72-0585
国東の町中に位置する興導寺は、空也上人の開基とされ桜八幡社の別当でもあります。現在の鶴川地区一帯は当時興導寺が納め、本尊は地蔵菩薩をお祀りし「火燃地蔵(ひともしじぞう)」として古くより信仰されてまいりました。平素は地蔵堂に安置されており秘仏となっております。六十年に一度の御開帳として今日まで受け継がれております。
第25番
大嶽山 神宮寺
大分県国東市国東町横手8378番地
TEL.0978-72-4066
神宮寺と名前からも見られるように、神宮と深い関係を示す寺院であり、養老二年(718年)仁聞菩薩により開基されたといわれております。本尊は不動明王をお祀りいたしております。文化財なども多数所有し当時の勢力がうかがえますが、中でもひときわ目を引くのが八体の焼け仏です。修正鬼会の残り火で御堂が火事になった際に何とか焼け残った仏像です。どれも立派な仏像であったことは一木造の大きさから想像できます。現在は本堂向かい側の収蔵庫にお祀りされております。
第26番
参社山 行入寺
大分県国東市国東町横手4728番地
TEL.0978-72-2802
紅葉の名所でもある行入ダムの麓に位置し、奇岩に囲まれたまさに行に入る寺の名そのものを連想させる行入寺は不動明王を本尊とし養老二年(718年)仁聞菩薩の開基とされております。末山本寺として栄え、多いときは寺に属する僧の修行をしていた院房が六ヶ所もあったといわれております。
当時の迫力そのままに今日まで素晴らしい形で残された修正鬼会面など文化財も数多く有しております。
第27番
医王山 丸小野寺
大分県国東市武蔵町丸小野451番地
TEL.0978-69-0045
養老年間仁聞菩薩の開基とされており、本尊は不動明王をお祀りいたしております。医王山の山号からもうかがえるよう、当時は薬師如来を本尊としておりました。また、丸小野寺は、丸小野地区の子供たちによる「子供修正鬼会」が行われる寺として有名です。岩戸寺や天念寺と同じく丸小野地区の旧正月行事として今日まで受け継がれております。子供の鬼は愛嬌もあり参拝に訪れる人を楽しませてくれる国東の風物詩の一つと云われております。
第28番
金剛山 報恩寺
大分県国東市武蔵町麻田643番地
TEL0978-69-0747
本尊は阿弥陀如来をお祀りし、養老二年(718年)仁聞菩薩による開基である。元和年間(1615~1624年)に再興され現在の御堂は天保九年(1838年)消失の後再建されたものである。幾度となく戦火や火事にあうも、本尊はじめ諸仏諸菩薩はことなきを得たのも御本尊の御威光として信仰されている。また、県の重要文化財に指定されている鰐口をはじめ法華曼荼羅など数多くの文化財も有している。中でも、梵鐘は杵築藩綾部道弘寄進のものであり時代は元禄時代の作である。
第29番
小城観音
大分県国東市武蔵町小城499番地
TEL.0978-69-0747(報恩寺内)
※朱印は28番報恩寺にてお声かけください。
小城山寳命寺は通称「小城観音」として信仰され養老二年(718年)仁聞菩薩による開基とされております。弘安年間の蒙古来襲のさい、異国降伏朝敵退散の大祈祷を行ったという記録もあり霊験あらたかな寺院として今日まで継承されております。本尊は六観音をお祀りいたしております。奥之院である観音堂は昭和57年に焼失の後、再建された御堂で毎年春の大祭には地元をはじめ県内外より多くの参拝者が訪れます。また、山一帯は小城観音展望公園として整備され5000本の桜の木などが小城観音を守る会の人たちにより植えられています。
第30番
杉山 瑠璃光寺
大分県国東市安岐町糸永1339番地
TEL.0978-65-0528
寺名の通り、薬師瑠璃光如来を本尊とし、養老元年(717年)仁聞菩薩により開基されたと云われております。また、堂内の阿弥陀如来像は県の重要文化財で榧の木で作られた平安時代の作とされ修復の際の技法により惜しくも国宝に指定されなかったといわれるほどの見事な作品です。また、名物住職の地獄・極楽絵図を使った法話は県内はもとより関東からもうわさを聞き参拝者が訪れるほどです。子育てから老後の過ごし方など面白おかしく身近な話題を用いてお話ししてくれることでしょう。境内は紅葉の名所としても名高く、樹齢600年以上と云われる百日紅の木は圧巻です。
第31番
特別札所
足曳山 両子寺
大分県国東市安岐町両子1548番地
TEL.0978-65-0253
両子山(721m)の中腹に位置し、養老二年(718年)仁聞菩薩により開基されました。山岳修行の根本道場であり江戸期より六郷満山総寺院として統括してきた。本尊は千手観音をお祀りし、不老長寿・子授けの観音様として広く信仰され午の日の申し子祈願は有名である。また、大講堂には鎌倉時代の阿弥陀如来をお祀りしその姿は美しく参拝者を優しく迎えてくれます。護摩堂にお祀りされている不動明王も鎌倉時代の作として威厳を放っており厄除・交通安全・安産祈願の道場とし信仰されています。山門の仁王像は国東といえば必ず紹介されるほど、最大級の大きさと造形美を誇っている。また四季を通じて参拝者で賑わい紅葉の時期は特に美しく県内でも紅葉名所の一つである。
宇佐神宮西大門
富貴寺
長安寺
両子寺
文殊仙寺
六郷満山1300年マップ 31の神社・寺院を掲載
お得な観光プラン
国東半島食文化
国東半島観光
六郷満山 交通アクセス
世界遺産認定を目指す六郷満山、国東半島全域今の時期はどこも素晴らしい紅葉です。
ぜひお出かけください!
六郷満山関係者の皆様のご協力に感謝いたします。
鎹八咫烏 記
協力(順不同)
国東半島宇佐地域六郷満山開山1300年誘客キャンペーン実行委員会
〒873-0504 大分県国東市国東町安国寺1639番地2(弥生のムラ 国東市歴史体験学習館内)
TEL:0978-72-5007
国東市役所 〒873-0503 大分県国東市国東町鶴川149 電話: 0978-72-1111
豊後高田市役所 〒879-0621 大分県豊後高田市是永町39−3 電話:0978-22-3100
宇佐市役所 〒879-0453 大分県宇佐市上田1030 電話: 0978-32-1111
杵築市役所 〒873-0001 大分県杵築市大字杵築377番地1 電話:0978-62-3131
日出町役場 〒879-1592 大分県速見郡日出町2974番地の1 TEL:0977-73-3158