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不可解な出来事。その①

2017.10.29 06:16

主人公は東京で働く普通のサラリーマン、山下一夫25才。趣味はドライブ。週末には恋人の加山一美を誘い、出かける。目的は持たない、気の向くまま。それが人生の活力と信じている。

ドライブの最後は決まって、一美の実家を訪ねる、なんの変哲もない田舎町。一夫はいつも感じる、この町に来ると、とても安らぐ。そんな日々を送っていた。今日はいつもと違い、一美の実家に向かっている。一美の叔父が町長に成ったお祝いに招待されたためだ。町長と言っても選挙をした訳ではない。ここ数十年、叔父さん一人が立候補して、他の者は決して立たない。一夫は聞いた、なんで叔父さん一人が続く。一美の父親曰く、あの人以外はいない。

明日は仕事の都合で、帰らなければならない。

今日は行きも帰りも、一人での運転。夜になって少し天気が悪くなってきた。慣れている道ではあるが、霧がかかり視界が悪い。峠を越える道はカーブも多く狭い。路肩の白線が頼りだ。

あっ!何かが横切った、タヌキかな。そろそろ峠、待てよそれにしても、おかしい!道に迷ったかな。広い所に出たらユータウンしよう。あれ?灯りが見える。こんなところに家?その時に限って車を止める。どうも何かの施設らしい、庭には不釣り合いな電波棟があり、窓には格子がしてあり、厳重な警備に思える。呼鈴を押しても返答がない。なおさら、興味をそそられる。灯りのついた窓を恐る恐る除いてみた。動物?どこかで見たような?なんだっけ!あっ、ナマケモノ。そうか飼育施設か。戻ろう。それから何日か過ぎた、ある日一美に聞いてみた。施設のこと、知らない。お父さんに聞いてみれば。あれね、あれはこの町の守り神なんだよ。わはは!一夫は何か一美の父親の態度に違和感を覚えたが、それ以上は聞かなかった。それから1ヶ月がたった、大学で生物学を専攻していた田代崇にあった。食事をしながら、あのナマケモノの話をした。さすが田代博学、あののろまな生き物が、どうして生き延びているか?ナマケモノは特殊な能力があり、それを専門に研究活用している事がわかった。一種のテレパシーのような、専門では、ないので、そんな理解。田代とは連絡先を交換して別れた。続く