清めの塩の意味と役割
2017.11.05 04:20
清めの塩と聞くと「穢れを払い清める」と答える方が多いでしょうが果たしてそれは正しいのでしょうか。正解は半分当たりで半分はずれです。
清め きよめ 気弱め
穢れ けがれ 気枯れ
きよめとは気が弱まること。
けがれとは気が枯れること。
塩は命の源に活力を与える不思議な力があるとされています。
そこには塩の持つ浄化力も深く関わっています。
その塩を神(仏)に供えることで力が宿った御塩となります。
元々は日本古来の塩信仰を仏教でも取り込んでいます。
心が疲れて弱まった状態の時に、心(気)に活力を与えて心を癒す、「英気を養う、元気を取り戻す」のが御塩の役割です。また、「不浄なもの、害をなすものには御塩の持つ力で浄化させる」ことができます。塩払いとはそのような使い方をしています。
ですので、葬儀の時にだけ用いるのではなくて、英気を養いたい時、心が弱った時、不浄を払いたい時などいろいろな場面で使うことが可能です。つまり、
英気を養う
不浄を浄化させる
というのが清めの塩の意味であり役割なので、清めの塩と聞くと「穢れを払い清める」とだけ認識しているのは半分だけ当たりということになります。仏教では死を穢れとは考えませんので、悲しみで弱った心に英気を養うために用いられるわけです。
特定の宗派では「阿弥陀如来より賜る信心一つで、死と同時にお浄土に生まれ、仏さまと成らせていただく」ので清めの塩を使う必要は無い、と説くようですが、英気を養うものという意味合いがそこには含まれていません。霊の存在そのものを否定していますが、夏になるとその宗派の寺で怪談や肝試しを催しそれが盛況というから些か不思議です。