Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

藤田晋 invitational RTDリーグ

佐々木vs平賀の斬り合い!脇から石を投げ続ける小林! RTDリーグ2017決勝初日1、2回戦レポート

2017.10.31 10:00

10/26(木)17:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ決勝1、2回戦の様子をお届けします。

レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。

ついに2日間にわたる決勝戦が開幕。

ポイントはリセット。全員ゼロからスタートし、2日間計8回戦で最もポイントを積み上げた者がRTDリーグ2017王者となる。


1回戦、開局と同時にバラバラからスタイル通りに北、白とポンしていった小林。前巡に發を引いてドラを切ると、小三元含みのホンイツイーシャンテンまで持ってきた。

しかし、ここで佐々木のリーチに一発で掴んだ2pをツモ切ると、佐々木が5200のアガリ。

すると、次局にも佐々木が真っすぐ打ち進めてリーチをかけると、白鳥に追いかけられるも、ツモアガリ。

打点こそ1000オールだが、「真っすぐに打ち進めてリーチでアガる」というスタイル通りの麻雀が2局連続で通ったことで、佐々木が場の空気を支配した。

あまりのそつのなさに、この時点でこんなことまで言い出す者もいたぐらいだ。

たろう「これは寿人優勝かな」

一同「早いわ!」

たろう「まだ早いのはわかるんだけど、こんな感じで優勝するイメージあるじゃん。それをイメージさせちゃうのが寿人の強いとこだよね」

たろうに2局でここまで言わせてしまう佐々木の強さと充実ぶりなのだが、この空気を切り裂いたのは平賀。

平賀は、なんと両面テンパイを拒否してのシャンポン待ちリーチをかけていく。

2sは2枚切れ、3s7sは1枚も切れておらず、枚数的には6枚対4枚で2s5sの方が多いのだが、この待ち取りの真意とはなんなのだろうか。

平賀「枚数的には4枚対6枚で2枚少ないんだけど、8sポンが入ってて、7sが出アガリも期待できる牌になってるから、出アガリも含めると2枚差を埋めるだけの待ちになってると思うんだよね」

そして、当然、使いにくい7sや3sはヤマに残っている可能性も高いというわけで、この時点で実際にヤマに残っている枚数は両面4枚対シャンポン4枚。

枚数的には互角であり、それならば出アガリしやすい分、シャンポンがかなり有利になるだろう。

そして、狙った7sをツモって2000・4000。

佐々木に肉薄する。


それでもブレない佐々木は、次局もまっすぐ進めてカン6sリーチ。

それにしても、佐々木は本当によくリーチがかかる。

小林も一発で掴んだ無スジの9mを平然とツモ切ると、ペン3pチーでペン7sのテンパイ。

それにしても、小林は本当によく仕掛ける。

佐々木と平賀の斬り合っているところに、少し遠くから石を投げているというイメージだ。

当然当たってもダメージは大きくないことが多いのだが、これがだんだん効いてくるのである。

しかし、ここは小林の投石も実らず、佐々木が4pカンの後にツモって1600・3200。

佐々木が再びトップ目に立った。


佐々木トップのまま南2局を迎えると、ソウズホンイツの白鳥が切ったドラをポンしたのは平賀。

打8pで南北シャンポンのテンパイを組む。南だとハネマン、北でもマンガンである。

この仕掛けに対し、オヤ番の佐々木が当然のようにリーチ。

8s3枚切れの苦しい5s8sでリーチのみだが、ドラポンに向かっていた。

しかし、ここは佐々木が南を掴み、平賀の12000が炸裂。

佐々木との斬り合いを制し、平賀が初戦をトップで飾った。



2回戦

1回戦から引き続き、戦える手がなかなか入らず苦しい白鳥に、ついにドラアンコのリーチが入った。

しかし、このリーチに対して4pをポンして3mを勝負した小林が、あっという間に白鳥の現物7pを平賀からアガって2000でかわしてしまう。


それでも、白鳥は最善を重ね続ける。

2枚切れとなった發をしっかりと残して重ねると、1pポン、カン5pチーで最後の北をツモって、4者テンパイを1300・2600でくぐり抜けてみせた。

ところが、白鳥のオヤ番では小林の無慈悲な早いリーチで1300・2600のオヤかぶり。

結果、これが小林トップの決め手となるのだが、この1300・2600の捉え方は人それぞれだろう。

「たまたま入った早いリーチでトップを取っただけじゃないか」と思われる方もいるかもしれないが、私は全く別の見解である。

小林は、「たまたま入った早いリーチが活きる点数状況にするために、仕掛け続けた」のである。

ぜひ放送を見返してほしい。

佐々木と平賀が激しく斬り合っている最中でも、小林はとにかく仕掛けて石を投げ続けたのである。

確かに、小林の仕掛けは、平賀や佐々木がつける刀傷に比べれば、致命傷には程遠い。

しかし、自身が致命傷を負うリスクも低くしながら、ダメージを与え続けることができる戦い方なのである。

そこで、もし早いリーチのような好機がきたのなら、刀に持ち替えてバッサリだ。

耐え忍んで石を投げ続け、好機を待つスタイル。

これこそが、小林が最強と信じる道なのである。

2回戦が終わり、運営のところまで正確なポイントを確認しにきたのは唯一小林だった。

確認しないのが普通だろう。まだ2回戦だし、趨勢はわかるからだ。

平賀など、隣で小林がポイントを見ているのに見向きもしない。

このコントラストが面白い。

平賀のような侍にはまだ正確なポイント状況は不要だが、やはり投石屋にとっては必要なのである。


鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)


■次回11/3(祝)17:00から決勝最終日をAbemaTV 麻雀チャンネルにて生放送予定