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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

カペー朝7-聖帝最大のピンチ聖皇后の試練

2017.10.31 03:25

さて、この模範のような聖帝ハインリヒ2世にも最大のピンチがあった。それは聖皇后クニグンデとの関係である。クニグンデは、999年にハインリヒと結婚し、生涯政治的にもパートナーとなり、帝国の最高会議にも出席した。ローマ教皇からの戴冠も2人で行っている。

夫皇帝の留守のときは国を守り、なんとまあ軍を指揮して1012年にはポーランドを打ち負かしているのである。結婚したときにもらったバンベルクには司教座をつくり、スラブ伝道の中心だけでなく、文化の中心地としても発展するのである。

そんな2人だったが、なんとハインリヒ2世が1回だけ、彼女の不倫を疑ったことがあるという。そのとき、クニグンデは、あの聖リヒャルデスのように、神明裁判を受け、見事火を渡って無実を証明した。しかし肥満帝とは大違いのさすが聖帝、自分の非を認め、謝罪し、クニグンデは受け入れたという。この一件でハインリヒ2世は危うく地獄行きを免れたとされる。世の男性のみなさん気をつけよう

残念というかこのご夫婦、あまりに聖すぎて男女関係はまるでナシで、子供が生まれず、ここでザクセン朝は途絶えた。同じ聖王でもルイ9世は子供をたくさんつくってるのだが。しかしクニグンデは、夫の死後も、後継皇帝の摂政をして国につくして亡くなった。今頃は天国で仲良く暮らしているだろう。

下は聖ハインリヒ2世を赦す聖クニグンデ