スナップ『ひなまつり』
今回は色白で目のくりっとした現代版光源氏のようなお顔をなさっている2歳の生徒さんに雛飾りのデコレを使用し、飾りたての取組みをしてもらいました。男の子とはいえ雛人形や雛飾りに興味を持ってもらい古の雅なものに触れ日本の文化を理解する足がかりとし、そこから古典的な文学も読み解く関心を育ててほしいと思います。
レッスンを開始してそう時間は経っていませんが、自分自身の行動を問いてその答えを自ら出す『質疑応答』を一人で行う確認行動が今週見受けられました。このような発達を見逃さず間髪いれずに働きかけを行うと確認行動の質を上げることができます。
「これはAかな?それともBかな?」「これはAだね」という手本を一度見せると、私の提示とほぼ同じような発言をし答えを自ら出しました。一見真似のように見えるのですが、手にするものが変わってもその行動を繰り返し行えることがこの自発的質疑応答の確認行動です。物事を自ら考え答えを出すためのトレーニングで思考の質を高める取組みとお考えください。物事を考えることは学びの基礎であり、人の話に耳を傾けることと連動する重要さも兼ね備えています。思考を絶えず行う場合とぼんやり過ごすのとではその後の思考力に大きな隔たりができます。2歳頃から『ぼくは、わたしは、こうやって思考していますよ』と大人に提示してくれる瞬間が訪れるのです。
このような子供の反応を受けて大人は子供が思考の段階に入ってきたんだと認める側に回り、喜びを満たしてあげる必要があります。
子供の独り言のような声に反応し大人は『その決断は正しいですよ』との意味を子供が理解しやすい「ピンポン」という擬声語に置き換えて伝えましょう。たくさんの「ピンポン」をもらえた子供は自信が持てやる気を育てることができます。間違った場合には正解を教えて再チャレンジを促します。2歳児はこの段階までを充実させてあげられるように導いてあげましょう。しかし教え込もうとせずに楽しくゲーム感覚で子供が楽しいと思えることが子供を伸ばすことになります。
また2歳児は小さな物を摘む機会を増やし繊細な指の動きをマスターしてもらうのも大切な取り組みでもあります。特に男の子はこのような取組みをするか否かで手や指の器用さの獲得やその質に関係してきます。生徒さんの物を摘む指の動きはとても良い形をしています。これから小さなものをレッスンではどんどん使用させていきます。どのようなものが出てくるのか楽しみにしていてください。