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肖像画

2022.01.21 00:30

15年前から飼っている、クサガメの「をく」。

私が実家を離れてからは、両親が面倒をみてくれている。

そのため、今は実家へ帰省した時にしか会うことができない。


をくを置いていった最初の頃は、をくの食欲や健康が何かと心配だった。

母に繰り返し電話をして、

「をくは元気?」と、聞いて確かめていた。

ところが。


あれから数年が経ち、をくのお世話は父の役割となった。

というか、父が張り切ってお世話をするようになったのだ。

餌やりはもちろんのこと、水かえ、掃除、水槽内の住環境管理…。

お寿司でマグロを食べた時には、自分の取り分を分け与え、

鶏肉を調理する時は、必ずをくのために小さく切った肉片を残す。

初夏のとある休日には、子供用プールをベランダに広げ、をくが広い空間で泳げるようにセットする。

夕暮れ時になると、カメ用のエビやおやつを、をくと一緒につまみながらビールを飲んでいるらしい。

(※良い子は真似をしないでね!)


今まで私が面倒を見ていた時には、父がカメに興味を示したことなど一度もなかったというのに…。

あの、見向きもしなかった父が、何故?


をくと父が、共に過ごした15年。

この15年という時間が、父を少しずつ変えていったのだろうか…。




ついこの間、年末年始に帰省した時のこと。

玄関には、をくの肖像画が飾られていた。


父が、CLIP STUDIOを使って描いたのだそうだ。


をくの嘴や目の特徴が、細かく描かれた絵。

まさか、肖像画を描くほど(しかも玄関に飾るほど)好きだったとは、、。


カメを飼育した当初は、家族がこんなにカメを好きになるなんて思いもしなかった。

けれど寿命の長いカメ(をく)は、少しずつ、長い時間をかけて家族に影響を与えていたようだ。


カメの飼育は、長期に及ぶ。

安易に飼えないペットではあるが、だからこそ、長い間を家族として共に過ごす。


その影響力は計り知れないと、実体験から確信する。


カメの飼育をお考えの方は、ぜひ、カメが持つ影響力を過小評価しないでいただきたい。

あなたのお家でも、カメを愛して肖像画を飾る日がやって来るかもしれない。