「やさしいオヤジさんでした」 特撮の神様円谷英二生誕120年を迎えて:ウルトラマンスーツアクター 古谷敏さんインタビュー
誰もが知っているヒーロー「ウルトラマン」。
1966年放送より半世紀以上活躍する日本を代表するヒーローです。
そのウルトラマンで欠かせないのが光線や火薬などをはじめする特殊撮影=特撮。
昨年数々の特撮作品を輩出し、日本の映像界に浸透させた円谷英二監督の生誕120周年を迎えました。
今回ウルトラマンのスーツアクター、俳優として活躍された古谷敏さんに、
円谷英二監督についての思い出を語っていただきました。
- 率直に円谷英二監督はどのような方でしたか?
やさしいオヤジさんでした。
所謂、大監督、巨匠風のような感じではなく、気遣いのできる方でした。
ぼくに将来の夢を与えてくれた人です。
- ウルトラマンの現場以前にも円谷監督の作品に出演されていますね。
昭和35年に東宝のニューフェイスに入って、まず最初にやったのが「モスラ(1961)」。
この時は本編が本多猪四郎さんで、色々撮っているんですが、
同じ撮影所内で特撮もやっていたんです。
実際に8号ステージやプールなど現場も見に行くことができました。
まず一番感じたのが英二監督さんがどこにいるのかわからないんですよ。
例えば黒澤監督は仁王立ちでスゴイ、すぐにわかる。
でも英二さんの場合は中に溶け込んでいてどこにいるのかわからない。
監督監督らしくない…印象でした。
- ウルトラマンでは「悪魔はふたたび(第19話)」を英二監督自ら特撮パートを監督されています。
国立競技場ですよね、隅にお座りになっていたのは覚えています。
この回はご自身で撮られる事も聞いてはいました。
変な泡(発砲怪獣アボラスの攻撃)をね、喰らうんだ、シャボン玉だと思うんだけどね。
- 全39回つぎつぎと話は続いていきますが、定期的お休みなどありましたか?
セットを変えていく合間に休みはありましたが、ローテーションではなかったですよ。
必ず一本、最後までやって次に続いてました。
次の怪獣もできなかったし、本当に余裕はなかったです。
そのうち前に出た怪獣も改造されて出てきて「見たことある怪獣じゃない?」ってこともありました。
- ウルトラマンはただ戦うだけでなく、時に感情も露わに芝居もしています、あれは演出ですか?
演出じゃなく、ぼく自身です。
もちろん台本はもらってますが、動物とは違うけど、人間とも違う宇宙人の演技なんて最初は誰も知りません。
自分なりに演技をしましたが、だんだん人間のように近づいていきました。
ジャミラとかヒドラの回の怪獣を殺したくない演技とかね。
でもそれは話戻るんですけど、円谷英二さんの影響ですよ。
子供にわかるように、夢を与えるようにとね。
- 円谷監督は俳優としての心持ちに影響をあたえましたか。
「子供に夢を与える仕事なんだよ」という一言がとても残っています。
その一言がなかったら、俳優としては主役を得るために動いてたろうけど、
だらだらしていたかもしれないね…。
多く語る方ではありませんでしたが、恩人であり、ステキでした。
- 120年を迎えましたが、心境をお聞かせください。
感無量です。
今も特撮は日本だけでなく、世界にも通用しています。
本当にスゴイことだと思います。
⇒まだまだ話は尽きませんが、次回は古谷敏さんご自身に、イベント事業について色々お聞きしたいと思います!
【俳優の「古谷敏」さんが1/22(土)の円谷英二特別上映会に電撃参加!】
初代ウルトラマンのスークアクターであり、俳優の「古谷敏」さんが1/22(土)の円谷英二特別上映会に電撃参加!
古谷さんが語る特撮現場の円谷英二監督とは?
古谷さんトークショーを上映前に開始します。
http://m78-sukagawa.jp/tsuburaya_eiji/news.php#zokuhou
【生誕120周年 円谷英二展】
特撮技術を切り拓いて東宝の戦争映画・怪獣映画・SF映画を支え、
後に自ら円谷プロダクションを興してテレビにおける特撮の礎を築いた円谷英二(1901-1970)。
その生誕120年を記念し、特撮に取り組む以前のキャメラマン時代にも注目しながら、その生涯と功績を紹介します。
会場:須賀川市文化センター 小ホール
住所:福島県須賀川市牛袋町11
開催期間:2021年12月18日(土)~2022年1月30日(日)
※休館日12月20日(月)、12月27日(月)~1月3日(月)、1月10日(月)・11日(火)・17日(月)・24日(月)
開催時間:10:00~17:00
※1月9日(日)のみ10:00~13:00
料金:高校生以上500円
65歳以上、中学生以下、障がい者(介助者は原則1名まで)は無料
https://m-78.jp/event/post-107660
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