みどりっこバス通信
こんにちは。海住さつきです。
岐阜市の芥見南で走っている「みどりっこバス」。
視察に行った時の体験談を「みどりっこバス通信」にのせていただきました。
原文はこちら。
愛情いっぱい!みどりっこバス
海住さつき
「どうぞ、おかけください」
大きな買い物袋を抱えた女性が乗ってこられたので、そう言って席を立とうとしたら、
「いいの、いいの、私、次で降りるから」
そう言って、てきぱきとバス前方へ向かい、買い物袋をていねいに床において、ポケットからパスケースを取り出すと、早速、前の席に座っていた別の女性と近況報告が始まった。
「最近、見なかったねえ。何かあった?」
「娘が孫連れて帰って来てましてね。娘の車で買い物に連れて行ってもらってました」
「それはにぎやかでよろしいねえ」
あっという間に次の停留所につき、バスのドアが開くと、手押し車を押したおばあちゃんが乗車口でよろけた。
「危ない!奥さん、ちょっとそこで待ってて」
そう言って、あっという間に乗客の男性が飛び降り、よろけたおばあちゃんを支える。いつの間にか、別の乗客が手押し車を引き上げ、おばあちゃんは無事、乗車。
「ここ、座って」
入口に一番近い席にいた白髪の女性が立ち上がる。
しばらく車内では談笑が続いていたが、二つ目の停留所でこの女性が突然声を上げる。
「運転手さん、この奥さん、ここで降りるからちょっと待って」
どうやら、おばあちゃん、ご自分が降りる場所をお忘れになっていた模様。一歩、一歩ふみしめながらゆっくり降車したおばあちゃんの後ろから、さりげなく手押し車が降ろされた。
みどりっこバスの車内は、みんなの思いやりと気配りにあふれていた。みどりっこバスはみんなの「マイカー」なのだ。降車して、だんだん遠ざかるバスに向かって手をふっている私に、車内から誰かが手を振り返してくれた。
愛情たっぷり!みどりっこバス。こんな街に住んでみたい。