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海住さつき.com

みどりっこバス通信

2017.10.31 12:28

こんにちは。海住さつきです。

岐阜市の芥見南で走っている「みどりっこバス」。

視察に行った時の体験談を「みどりっこバス通信」にのせていただきました。



原文はこちら。


愛情いっぱい!みどりっこバス

                               海住さつき

「どうぞ、おかけください」

大きな買い物袋を抱えた女性が乗ってこられたので、そう言って席を立とうとしたら、

「いいの、いいの、私、次で降りるから」

そう言って、てきぱきとバス前方へ向かい、買い物袋をていねいに床において、ポケットからパスケースを取り出すと、早速、前の席に座っていた別の女性と近況報告が始まった。

「最近、見なかったねえ。何かあった?」

「娘が孫連れて帰って来てましてね。娘の車で買い物に連れて行ってもらってました」

「それはにぎやかでよろしいねえ」

あっという間に次の停留所につき、バスのドアが開くと、手押し車を押したおばあちゃんが乗車口でよろけた。

「危ない!奥さん、ちょっとそこで待ってて」

そう言って、あっという間に乗客の男性が飛び降り、よろけたおばあちゃんを支える。いつの間にか、別の乗客が手押し車を引き上げ、おばあちゃんは無事、乗車。

「ここ、座って」

入口に一番近い席にいた白髪の女性が立ち上がる。

しばらく車内では談笑が続いていたが、二つ目の停留所でこの女性が突然声を上げる。

「運転手さん、この奥さん、ここで降りるからちょっと待って」

どうやら、おばあちゃん、ご自分が降りる場所をお忘れになっていた模様。一歩、一歩ふみしめながらゆっくり降車したおばあちゃんの後ろから、さりげなく手押し車が降ろされた。

みどりっこバスの車内は、みんなの思いやりと気配りにあふれていた。みどりっこバスはみんなの「マイカー」なのだ。降車して、だんだん遠ざかるバスに向かって手をふっている私に、車内から誰かが手を振り返してくれた。

愛情たっぷり!みどりっこバス。こんな街に住んでみたい。