元米副統領アル・ゴアがCLに登壇、トミー・ジョーンズとは旧友の仲|TIFF2017
【社会報道】 平成二十九年十一月三日に東京・六本木にて『TIFF二〇一七』クロージング セレモニ及び記者会見が行われた。セレモニではコンペティションに選ばれた十五作品から東京グランプリを始め、最優秀監督賞や最優秀女優、男優賞等を合わせて十四の賞が決定した。
中でも観客賞では、記者からの注目が高かった「勝手にふるえてろ/ファントム・フィルム」が授賞。セレモニ後に上映するクロージング作品は、アル・ゴア(戊子、写真上)元 米副統領が著作・主演の「不都合な真実2:放置された地球/東和ピクチャーズ」が上映された。来日したゴアは「私の旧友トミー・リー・ジョーンズに、まさか、ここで会えるなんて思っていなかったです。是非、皆さんにはこの作品を楽しんで頂きたいと思います。これをチャレンジとして受け止めて頂きたいです。」とコメントした。
<インスパイアし合った審査員>
セレモニ終了後の記者会見では、今回の国際審査員五名が登壇。監督・俳優のトミー・リー・ジョーンズ(丙戌、写真上)審査委員長は「まるで一本の映画を撮り終えた後の打ち上げに参加している気分です。映画作りと同様で皆で一緒に仕事をして。それが終わった今は友達も作れて、とても良い経験となりました。」と映画祭の達成感に喜びを示した。元 米副統領とは米ハーバード大の同級でルームメイトであった。
中国の監督・女優のヴィッキー・チャオ(丙辰、写真上)審査員は「この東京国際映画祭は非常に開かれた映画祭だと思います。五つの国の国際審査委員団で映画を観て、議論して、インスパイアし合う事ができました。この様な機会を与えてくれた東京国際映画祭に感謝しています。」と述べた。
一作毎にミーティングの試み
俳優・永瀬正敏(丙午、写真上)審査員は「オープニングの日に審査委員長のトミーから、一作観る毎に必ずミーティングをしよう、という本当に素晴らしい提案。他の映画祭の審査委員に聞くと、そんな事はまず無いとの事です。映画を観て直ぐに話し合う事で共通認識を持てて、様々なアイディアを引き出す事ができた事に感謝しています。」と審査員長の功績を称えた。続けて「僕は役者なので、今後役者として(他四名の監督達に)起用して貰える様に頑張っていきたいです。」とユーモアを交えつつ、世界での更なる活動を視野に入れる。
記者に何故、一作毎にミーティングを行ったかを問われた審査委員長は「上映直後に意見交換する事で、作品の第一印象を新鮮な気持ちで覚えているからです。考えは表現する内に成長するので、他の人の意見を聞く事で発展したり、変化する事もあります。今回は、それが非常に友好的に働いたと思います。」と議論の重要性を示した。
それに伴い、ヴィッキー審査員は「今回参加の十五作品はラッキーだと思います。トミーのリーダシップの下、この様な結果を出しました。」と、既存の審査基準との価値の違いを強めた。第三十回の映画祭を終えて六万人を動員したTIFF。上映作品数は昨年より二十五本増の二百三十一本となった。
撮影記事:岡本早百合