漁師の投網が干してある姿を文様化したものです。
三角錐の頂点から大きく裾を開く形が美しく、陶磁器などには網干だけでデザインされたものもあります。
きものでは水辺の風景の添景として配されたり、波や葦、水鳥、海松(みる)、貝などと組み合わせて意匠されます。
網目のリズミカルな線はシャープに描かれ、現代にも取り入れられやすい文様となっています。
【網干に松】 あぼしにまつ
唐松の老木、網干の組み合わせ。
渋い色合いが、大人の女性の趣味性を示しています。
【網干に葦】 あぼしにあし
上に比べて現代風な趣の網干で、現代でも様々に使える意匠。
網干は江戸時代に文様として多用されました。